大阪府知事の吉村洋文氏が、前原誠司共同代表の辞任とそれに伴う執行部人事の刷新、そして今後の党運営について言及した。参院選での結果を受け、「自分の首は全維新の全議員に委ねて、その判断に従います」と述べ、自身の責任についても言及する。
幹部人事刷新で「挙党体制」を目指す
前原氏から国会議員団代表の辞表が提出された。その背景には、今後の党運営において「挙党体制で一致断結して進んでいくべき」という強い思いがあったと吉村氏は説明する。吉村氏も前原氏の働きを評価しつつも、同じく「挙党体制でやっていく必要が強い」と感じており、前原氏の判断を受け入れた。
辞任の申し出は前原氏だけでなく、岩谷幹事長、阿部総務会長、うるま国対委員長からもあった。青成長会長は自ら辞任を申し出てはいないが、「代表の判断には従う」という意向を示したため、吉村氏の判断で職を解くことを伝えたという。
吉村氏は、この幹部人事の刷新は、「人事を一新して進んでいくべき」という考えで一致していると強調する。
「国会議員団の代表を選挙で選ぶべき」
今後の人事プロセスについて、吉村氏は「国会議員団の代表は選挙で選ぶべき」という考えを表明した。選挙で選ばれた国会議員団の代表を、党の共同代表として指名する考えだという。これは、吉村氏が代表であり続けることを前提とした方針だ。
新しい執行部(幹事長、成長会長、国対委員長など)については、国会議員団の代表が決定した後に、その代表と協議して決める方針を示している。
また、かつて「国対政治はけしからん」と発言したことについては、現在は「与党と連携する中で、政策の意思決定も協議体を立ち上げたり、オープンな場で協議・実行する形に変わってきている」と述べ、状況は変わってきているという認識を示した。
今回の執行部メンバー一新によっても、維新の「政策実現第一」「有権者との公約を果たす」というスタンスは「一切変わることはない」と強調した。
「副首都構想」は「国家アージェンダ」
今回の参院選の公約の柱の一つである「副首都構想」について、吉村氏は「国家アジェンダ」と位置づけ、その必要性を力説する。
「東京一極集中を絶して」「もう1つの軸を作っていく」ことを目指し、国家のリスク管理(首都機能のバックアップ)、そして経済成長を牽引する都市圏の形成が基本的な思想だという。
この構想は、万博のような特定のイベントとは異なり、「日本全体の長い目で見た国家構造改革」の一環と捉える。
副首都指定の必要最低条件
吉村氏は、副首都となるためには、「都と見なされるぐらいの大都市」である必要があるという考えを示す。現時点での必要最低条件として、「大都市法上の特区制度を採用していること」を挙げた。
具体的な法案については、「さらにバージョンアップしたもの」として検討し、今後作成に着手する方針だ。知事は、大規模災害時の警察と消防の連携や、インフラ整備のあり方など「ハードとしての実行部隊としての副首都」のあり方を議論する必要があるとしている。
住民投票との関係については、「大都市法というものが1つ根拠になる」という考えを示しつつも、3度目の住民投票が必要になるかどうかは、今後の副首都法案の議論の中で判断されるべきものであり、現時点では確定していないと回答を留保した。
維新が掲げる「副首都構想」は、日本に新たな成長とリスク管理の軸をもたらすのだろうか――。
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