ジャーナリスト・山口敬之が明かす!石破総理「見捨てられ」の真相

国内政治

ジャーナリストの山口敬之氏が、自民党総裁である石破茂氏がすでに政界関係者から「見捨てられている」状況にあると分析する。7月の選挙結果直後から顕在化したその兆候と、今後の政治の行方を左右するであろう次期総裁選の動向、そして政治を動かす「昼ドラ」のような人間関係の裏側を鋭く解説する。

選挙直後から見捨てられていた石破総理

石破総理は、7月20日の参院選の結果直後から、すでに多くの関係者から見捨てられていたと山口氏は指摘する。もし自民党が予想通り大敗していれば、翌21日の会見は「辞任会見」となっていたはずだった。

しかし、大敗には至らなかったため、森山幹事長がすぐに引きずり下ろさないと判断したという。

だが、この段階で永田町関係者の多くは、「石破氏が詰んでいる」ことを認識していたと山口氏は語る。その確信度を裏付けるように、読売新聞は号外を出した。

両院議員懇談会では「もう辞めろ」という声が多数を占めた。そして、8月8日のフジテレビの報道で総裁選の前倒しが決定された。これは、「森山さんが石破さんを見捨てた瞬間」と青山繁晴氏のツイートを引用して説明する。

森山幹事長の真意と財務省の思惑

森山幹事長が石破氏を支えているように見えたのは、彼を続投させたいからではないと山口氏は分析する。

森山氏は、8月中に総裁選を実施したくなかった。なぜなら、8月は日本の予算編成にとって「最も重要な時期」であり、この時期にトップ不在の「政治空白」を作りたかった財務省の思惑が働いていたからだ。

つまり、石破氏の存在そのものが、この政治空白を容認する「ダミー」であったと指摘する。

次期総裁選の動向と有力候補

石破氏の退陣が確定的と見られる中で、次期総裁選の時期と形式、そして有力候補に注目が集まっている。総裁選は、森山氏が8月中の実施を避けたことから、最も早くても9月初旬になると見られている。

次期総裁選の形式について、茂木敏充氏は「フルスペック(党員投票を含む)ではなく国会議員だけで次期総裁を決めるべきだ」と主張した。これは、党員からの支持が低い茂木氏が、自身の勝利に有利な形式を望んでいることを示唆している。

直近の参院選で票を伸ばしたのは、国民民主党、参政党、日本保守党の3党だった。いずれも「国民への税収還元」と「日本を守る政策」を訴える積極財政と保守的な政策を掲げている。

自民党の党員は、日本人全体の平均よりも保守的な傾向が強い。そのため、フルスペックで行われた場合、積極財政と保守的政策を掲げる高市早苗氏が有利であると分析する。

しかし、旧安倍派の保守系議員の多くが選挙で落選しており、高市氏の推薦人が集まりにくくなっている。そのため、フルスペックではない形式になれば、高市氏は「非常に厳しい状況に置かれる」。

戦後80年談話と政治の裏側

石破氏は「戦後80年談話」を出すことに強い意欲を示しているが、その発表時期にも問題があると山口氏は指摘する。

もし談話が9月2日(降伏文書調印の日)に発表されれば、ソ連による北方領土侵攻などの「侵略行為」を総理自らが認めることになり、歴史認識に大きな問題を生じさせる可能性がある。

さらに、石破氏が国民民主党の玉木代表や立憲民主党の野田代表と連携しようと画策しているという情報があり、これは「森山氏を激怒させた一因」とも言われている。

山口氏は、日本の政治が表向きの政策論争だけでなく、個人の怨念や裏切り、復讐といった「昼ドラ」のような人間関係に大きく影響されていることを強調する。

はたして、次期総裁選は国民の意思を反映したフルスペックで行われるだろうか――。

ジャーナリスト・山口敬之が明かす!石破総理「見捨てられ」の真相

コメント