VisualPolitikが、日本の新興政党である参政党の台頭を分析する。彼らの成功の背景には、移民と観光客に対する国民の複合的な不満がある。急速な人口減少に直面する日本が、外国人労働者の受け入れと「ジャパンファースト」を掲げる政治的潮流の間で揺れ動く現状を描く。
参政党の台頭を支える反外国人感情
参政党は、わずか1議席から15議席に躍進した新興政党だ。彼らの政策は「各自治体に住める外国人の数を制限し、外国人に対する障壁を増やすこと」。そのメッセージは、アメリカのMAGA運動を想起させる「ジャパンファースト」だ。
彼らは、「移民は文化を希薄化させ、治安を悪化させ、国を不安定化させるトロイの木馬である」と主張し、合法的な非熟練労働者すら拒否する姿勢を見せる。移民を「日本のアイデンティティに対する明確な脅威」と見なす彼らの主張は、一部の国民の不安を煽っている。
佐賀県で発生したベトナム人移民による強盗殺人事件のような凶悪犯罪は、参政党の主張に拍車をかけている。「外国人は問題、たくさんの問題をもたらし、治安の悪化を招く」というメッセージが広く受け入れられている。
参政党の成功のもう一つの大きな要因は、観光客への不満だ。円安と中国人中間層の増加により、日本の観光客数は2024年に3690万人に達し、前年の47%増という記録的な増加を見せた。観光は自動車に次ぐ第2の輸出品目となったが、この急増は多くの日本人にとって「悪夢」となっている。
「観光客は国の文化や社会規範を尊重しない」という不満が高まり、交通機関の混雑や生活空間の減少といった問題が指摘されている。ローソン富士山店のように、写真撮影の人気スポットが閉鎖に追い込まれる事例も出ている。
また、円安で観光客が「低コストの日本」を享受する一方で、給与が実質的に凍結されている日本人は物価高騰に苦しんでいる。「観光客は低価値の活動に湯水のように金を使うが、多くの地元住民は自国で暮らす余裕がなくなっている」と感じている。
参政党の台頭は、これらの「外国人」に対する複合的な不満を背景にしている。「多くの日本人は、移民と観光客を同じ問題の一部として混同している」とVisualPolitikは指摘する。
人口減少という避けられない課題と移民の必要性
日本の急速な高齢化と低い出生率は、移民受け入れの必要性を高めている。日本は世界で最も高齢化が進んでおり、出生率は人口維持に必要な水準をはるかに下回る。2024年には出生数68万6千人に対し、死亡数は160万人に達した。
このままでは、労働年齢人口は2050年までに現在の約7000万人から4900万人にまで減少する可能性がある。労働力不足は年金や医療費などの社会保障費の負担増大に直結する。
VisualPolitikは、「日本は移民労働者に門戸を閉ざす余裕はない」と結論付ける。「誰も働かなければ、誰も税金を払わない。税金を払う人がいなければ、誰が払うべきものを払うのか」。経済的・社会的崩壊を避ける唯一の方法は「文字通り何百万人もの外国人労働者を受け入れること」だと指摘する。
治安と社会統合の現実
反外国人感情が高まる一方で、移民労働者の受け入れに対する日本人の全体的な認識は改善している。2018年には46%が反対していたが、2024年には60%以上が賛成に転じ、反対は28%に減少した。この矛盾は、「多くの日本人が、日本に住む移民よりも、他の種類の外国人、つまり観光客に悩まされている」という分析によって説明されている。
外国人犯罪について、全国的な詳細は不明だが、埼玉県ではトルコ人による逮捕率が日本人の15倍、アフリカ人が3倍というデータが公開されている。しかし、VisualPolitikは「埼玉県の現実が日本の他の地域と同じとは限らない」とし、全体としては「日本人と外国人の逮捕率は実質的に同じである」と結論付けている。これは、犯罪率の高さは特定の集団に限られたものであり、広範な問題ではないことを示唆している。
日本の移民は比較的うまく社会に適応している。「多くは、出世や昇給の見込みがない第二の市民という役割を受け入れることで適応している」。彼らの滞在はビザと仕事に完全に依存しているため、長期的な定住を目指す者が少なく、「対立するゲットー」の形成は現在のところ起きていない。
はたして、日本は「アイデンティティ、文化、伝統を経済や労働力不足の問題よりも優先する」のか、それとも「社会構造の変化を受け入れて多様性を受け入れる」のか。この問いが今後の日本社会の大きな分岐点となるだろう。
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