国民民主党党首の玉木雄一郎氏が、臨時国会終了後の政局を展望する。石破政権が続投する中、主要野党である立憲民主党と日本維新の会が自民党に接近する「奇妙な呼吸合わせ」に言及。国民民主党が「政策本位」を掲げ、独自路線を貫く理由を詳細に解説する。
少数与党の石破政権と野党の「奇妙な呼吸合わせ」
臨時国会が閉会した後も、石破政権は続投する見込みだ。「自民党政権は石破政権のもとで続いていく」と述べられている。これは、首相本人の続投への強い意志と、「辞めろ」という声の衰退が背景にある。
しかし、衆議院と参議院で過半数を割る「少数与党」の状態であり、秋の補正予算や来年度予算、関連法案の成立には野党の協力が不可欠だ。
そんな中、立憲民主党の野田代表と石破総理の間には「不思議と呼吸が合っている」と指摘する。これは、立憲民主党が「石破政権に助け舟を出している」と解釈されている。
この「奇妙な呼吸合わせ」は、政治とカネの問題に関する法案にも現れている。立憲民主党が自民党案に歩み寄る姿勢を見せ、野田代表が石破総理との間で先行して合意形成を図ろうとしている意向が強く現れているという。
さらに、給付金政策では自民党と立憲民主党が「2万円を一時金で全員に配る」という政策で完全に一致している。玉木氏は、この動きを「民意に反した行動」と批判する。
維新が掲げる「福首都構想」と連立への前のめりな姿勢
立憲民主党に加えて、日本維新の会も自民党への接近を強めている。「連立政権に近づいているな」と玉木氏は評価する。吉村代表が関西のテレビ番組で政権入りを前提とした閣僚ポストに言及するなど、連立に向けた具体的な発言が増えている。
選挙中は社会保険料引き下げを主要政策としていたにもかかわらず、選挙後に突如「副首都構想」(大阪を副首都にする)が浮上した。「連立に入るための理由を探して出てきたのが副構想ではないか」と推測されており、連立への「極めて前のめりな今動きが出ている」と指摘する。
この構想は短期的には「お金がかからない」ため、自民党にとっても受け入れやすいと見られている。新体制への移行や、自民党との人脈が深い遠藤元国対委員長と森山自民党幹事長の会食など、連立に向けた具体的な動きが報じられている。
国民民主党が貫く「政策本位」の姿勢
立憲民主党と維新の会が自民党に接近する中、国民民主党は「政策本位で」「いいものはいい、悪いものはダメだ」という方針を堅持している。
玉木氏は、「誰と組むか」ではなく、「何を成し遂げるか」で判断すると述べる。野党が自民党を「助けるだけの協力」に終始することは、昨今の選挙で示された「多様な意見を尊重し、自公だけで物事を決めないでほしい」という民意に反すると警鐘を鳴らす。
立憲民主党と維新の会が過度に自民党に接近し、自公の法案が容易に成立するようになると、国民民主党が提唱する「減税」や「現役世代の負担軽減」といった政策が実現しにくくなることを懸念する。
選挙で過半数を失った石破政権に対し、主要野党が「生命維持に協力しているように見える」現状に玉木氏は「違和感」を感じている。
はたして、野党第一・第二党の接近によって、石破政権は延命するのだろうか――。
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