作家の竹田恒泰氏が、日本記者クラブで行われた8党首討論会での各党首の「一言」フリップを痛烈に批判した。特に自民党と立憲民主党のメッセージについて「センスがない」と断じ、有権者の求めているものとの乖離を指摘した。
自民・石破氏と立憲・野田氏に「センスなし」の烙印
竹田氏がまず標的にしたのは、自民党の石破総理が掲げた「この国の将来に責任を持つ」という言葉だ。竹田氏は、「なんでこういうセンスないこと書くんですかね?これ見てときめく人がいると思います?」と疑問を投げかけた。さらに、「『この国』ってすごいなんか客観的ですよね。いやいや、俺たちの国でしょうよ。自分らの国でしょうよ。「この国」ってすごい冷めてますよね。人ごとみたいですよ」と述べ、愛国心の低さを感じさせると批判した。当たり前のことを掲げても有権者の心には響かないとし、「石破さんってね、選挙のたびにね、とにかくセンスなさすぎなのよ」と酷評した。
次に、立憲民主党の野田代表が掲げた「物価高からあなたを守り抜く」というメッセージに対しても、「脱デフレにするんだと、インフレに持っていくんだって、もう10年間言い続けてきたじゃないですか」と過去の言動との矛盾を指摘した。物価高そのものが問題なのではなく、「税金が高いのが問題なんですよ」と竹田氏は主張し、「税金を下げてあなたを守るって言った方が良かったんじゃないですか」と、言葉選びのセンスのなさを批判した。さらに、野田氏の最終演説が「ひたすらね、自民党の汚職の批判だけ」で、自党の政策をほとんど語らない点を問題視し、「与党のスキャンダル追及をいくらやっても野党としては支持率なんか上がんないんです」と断じた。
共産党と維新は「ツボを抑えている」?
一方で、共産党が掲げた「消費減税」というメッセージについては、「共産党の方がツボをちゃんと抑えてますよ」と評価した。物価高が敵なのではなく、「税金が高いのが敵なんです」という竹田氏の主張と一致しているからだ。ただし、共産党であるために「誰も見向きもしない」「気持ち悪いよね」と、その支持基盤の限界についても言及した。
また、日本維新の会が掲げた「社会保険料を下げる改革」というメッセージについては、「これはいいと思います。社会保険料を下げる改革。いいですね。分かりやすいです。ちゃんと、言うべきこと言ってますね」と評価した。
国民民主党と参政党への辛口評価
国民民主党の玉木代表が掲げた「現役世代から豊かになろう。そして全世代へ」というメッセージに対しては、「なんか前回の『手取りを増やす』的な方が刺さる気がしますけどね」と、前回の選挙スローガンの方が効果的だったと述べた。「現役世代以外から反発食らいますよね」と、あえて敵を作るような言葉選びをしている点を批判し、「ちょっと玉木さんここへ来てどうでしょう?ちょっと天狗になっちゃったんでしょうかね」と苦言を呈した。
参政党の「日本人ファースト」という言葉にも、竹田氏は疑問を投げかける。「『アメリカファースト』って日本ではぶっ叩いてますよね」と、世間的なイメージの悪さを指摘し、「世間的に『日本人ファースト』って言うとなんかミニトランプでもやり始めんの?みたいに見られちゃいますからね」と懸念を示した。方向性自体は良いとしつつも、「もうちょっと言葉選びしてもいいんじゃないかな」と、フレーズの重要性を強調した。
作家の竹田恒泰氏は、今回の8党首討論会における主要政党のメッセージについて、有権者の求めるものとの間に大きな「ズレ」があると指摘した。特に自民党の石破氏と立憲民主党の野田氏に対しては、その言葉選びのセンスのなさを厳しく批判し、それが支持率の低迷につながっていると分析した。一方で、共産党や維新の一部メッセージは評価しつつも、各党が有権者に真に響く言葉を届けられていない現状を浮き彫りにした。はたして、各党は国民の心を掴むメッセージを打ち出せるのだろうか。
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