経済評論家の高橋洋一氏が、参院選後の政局、特に自公の過半数割れが濃厚となる中で、石破政権の行方と市場への影響について鋭い見解を述べた。自民党の目標設定の甘さや石破首相の資質に疑問を呈しつつ、総裁選の展望と今後の連立政権の可能性、そして金利や株価への影響までを幅広く解説した。
自公過半数割れは確定か
参議院選挙が目前に迫る中、経済評論家の高橋洋一氏は、自民・公明両党の過半数割れが「ほぼ確定したのではないか」との見方を示した。多くの調査結果が同様の予測をしており、特に日経新聞が序盤調査で「過半数維持する」と報じた後に、その後の調査結果を公表していないことについて、「日経さん、もう逃げちゃってんじゃないかな」と皮肉を込めて語る。
高橋氏は、自公が目標とする「50議席」という水準自体が「はっきり言うと低い水準なんだよ」と指摘。75議席が改選対象であることを踏まえれば、50議席では3年後に政権を維持することは不可能であり、「もう3年後負けますって言ってるような目標なんだよね」と、その目標設定の甘さを批判する。
石破首相の進退問題
もし過半数割れとなれば、石破首相の進退が問われるのは必至だ。高橋氏は、過去の衆議院選挙や都知事選での敗北も引き合いに出し、石破首相が「衆議院選挙の政権選択選挙でも過半数割れ」「都議選も歴史的敗北」「参院選も歴史的にも珍しいくらいの負け」と、すでに「3連敗」していると指摘。通常の感覚であれば「すぐ退陣するでしょうと」と語る。
しかし、石破首相は「普通じゃないからね」と述べ、去年の衆議院選挙で過半数を取れなかったにもかかわらず辞任しなかったことや、都知事選での大敗後も平然と政権を維持していることを挙げ、「いくら負けてもやめない」可能性もあると指摘した。
ただし、党内手続き上、首相を辞めさせるのは「大変なんだよね」としつつも、「流石にもうやり続けられない、誰もついてこれねえじゃない」と、さすがに党内の求心力を失い、退陣に追い込まれるとの見方を示した。
総裁選の行方と連立の可能性
石破首相が退陣した場合、自民党総裁選が行われることになる。高橋氏は、前回の総裁選で2位だった高市氏と、3位だった小泉ジュニア氏が立候補する可能性に言及する。しかし、小泉氏については「やっぱり神通力ないって分かっちゃったからさ」と述べ、高市氏と岸田氏の争いになる可能性も示唆した。
総裁選が「フルスペックでやったら高市さんが多分勝つよ」と予測する一方で、国会議員票の行方は不透明だとした。
また、過半数割れとなった場合、少数与党となることは避けられず、必ず「連立話」が出てくると高橋氏は語る。財務省寄りの連立を組むならば「多数を取ってる立憲民主」だとし、高市氏が総裁になれば「やだっていうに決まってるわな」と、組む相手が変わるとの見解を示す。
経済政策を重視するならば、「国民とかそういう形になるかもしんないよね」と国民民主党との連携に言及。保守系でまとめるならば、「参政党も入ってくるかもしんないし」と、参政党が連立入りに意欲を見せていることにも触れた。しかし、「どんな政権かによって全然違う」とも付け加えた。
市場への影響
過半数割れが現実味を帯びるにつれ、市場も反応を見せているという。金利については、「ちょっとずつ上がる可能性はあるかもしんないね」と予測する。特に国債発行が増えることで金利が上昇する可能性を示唆する。
ただし、金利上昇が「財政破綻」に直結するわけではないと強調し、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)の動きから「財政破綻っていうんじゃなくて単なる供給関係の話だよな」と、金融機関の貸し出し姿勢に影響する程度だと説明した。
株価については、「悪くはなくなるよね」と見通す。特に「高市さんのグループになったら悪くはないよね」と、高市氏の経済政策への期待を示唆した。一方で、「岸田さんのグループの方になったらまた同って感じになるよな」と、現状維持路線への懸念を示した。
今回の参議院選挙が、戦後まれに見る政局の転換点となる可能性が高まっている。高橋氏の分析が示すように、岸田政権の退陣、新たな総裁の誕生、そしてそれに伴う連立の模索は、日本経済と市場にも大きな影響を及ぼすことになるだろう。はたして、高橋氏の予測通り、岸田首相は「史上最低」の総理大臣という不名誉な称号を手にしてしまうのだろうか。
コメント