NHK党代表の立花孝志氏が、令和7年7月6日夜に緊急のメッセージを発信した。来る参院選において、日本保守党が候補者を擁立していない選挙区の有権者に対し、NHK党への投票を異例の形で要請。百田尚樹氏率いる日本保守党との協力関係を強調しつつ、特定の他党、特に参政党に対しては「とっても怪しい政党でここと戦います」と徹底的な批判を展開した。自身の政治家としての継続を賭けた今回の選挙戦で、立花氏が描く戦略とは何か。
日本保守党への異例の要請:比例は百田氏、選挙区はNHK党へ
NHK党代表の立花孝志氏は、日本保守党を応援する人々に対し、参院選での投票行動について具体的な協力を要請した。日本保守党が45選挙区中、北海道、福井県、東京都、大阪府、愛知県、福岡県のわずか6選挙区にしか候補者を擁立していない現状を指摘し、「残りの39の都道府県の方」で日本保守党の候補者がいない場合は、NHK党の候補者へ投票してほしいと訴えた。
立花氏は、百田尚樹代表とは「もちろん喧嘩もしていませんし、数年前からあっていただいてる関係」があると強調。日本保守党の百田代表や有本香氏の発言は「非常に合理的だと思います」と評価し、NHK党から立候補している福永勝也弁護士も「百田先生のこと応援されています」と、党内でも日本保守党への好意的な見方があることを示した。さらに、自身が百田代表に「非常にかわいがっていただいています」と個人的な親交にも触れ、「本当に日本保守党さんには何のデメリットもないと思います」と、今回の提案が日本保守党にとって不利益にならないことを力説した。
この要請の背景には、NHK党が国政政党の要件を満たすという切迫した目標がある。立花氏は、全国全ての選挙区に候補者を立てているNHK党が、比例代表か選挙区のいずれかで得票率2%を超えなければ、「私は政治家をやめる」と宣言している。この目標達成のため、日本保守党の候補者がいない地域の票を取り込みたいという強い思いがうかがえる。
参政党への徹底批判:「戦争は人口調整」「ワクチンは兵器」
立花氏は、参院選を前に特定の政党への批判を強めている。その標的は参政党だ。立花氏は参政党を「あそこは別に保守じゃない」と断じ、「参政党はとっても怪しい政党でここと戦います」と徹底抗戦の姿勢を示した。
具体的には、参政党が「戦争は人口調整であるとかワクチンは兵器とかね」といった主張をしていることを挙げ、これを問題視した。北海道の水源が中国人に抑えられている問題については、「北海道の水源は確かに中国人が買っているんで」と一部は認めつつも、参政党の主張全般に対する不信感を表明した。
自身が「参政党から国民を守る党の代表」でもあると述べ、総務省と連携して参政党に関する情報公開を求めていることを示唆した。また、自身が登壇する番組に「参政党の候補者来なかったんですよ」と述べ、参政党が「聞いてほしくない質問を投げていく」自身の追及を避けていると批判した。
参政党が「皆さんが参加できるために作った政党」としながらも、「今参加できること言ってないですよね」と創設時の理念との乖離を指摘。神谷代表が武田邦彦氏や「5レンジャーの人たち」を切っていった経緯についても「大体話は聞いてます」と述べ、党内の内情にも言及した。
政治家継続への強い覚悟と国民への呼びかけ
立花氏は、自身の政治家としてのキャリアを賭けて今回の選挙に臨んでいる。「これが満たされないと私は政治家をやめる」という強い決意を表明し、そのためにも日本保守党支持者からの支援を必要としていると訴える。
「当然こんなお話させていだいてません」と、今回の呼びかけが日本保守党側の了承を得たものではないことを明かしつつも、自身は「百田代表や有本さんの悪口を言うどころかちゃんとこちらの方もありがとうございますという形で御礼に行きたいと思いますし」、「日本保守さんと友好関係を結んでいきたいと思います」と、今後の良好な関係構築に意欲を示した。
そして最後に、「立花を政治家続けさせてやろうという日本保守の方は是非1枚目の投票用紙ですね 、NHK党の下に何度も貼っときますのでお願いいたします よろしくお願いいたします」と、国民に直接的な支援を懇願した。
立花孝志氏の今回の発言は、来る参院選におけるNHK党の切迫した状況と、既存の政治勢力に対する彼の独特な立ち位置を明確に示すものだった。日本保守党支持者への異例の呼びかけは、票の掘り起こしに苦心する中小政党の戦略の一端を垣間見せるものでもある。
はたして、立花氏のこの訴えは、日本保守党支持者の心を動かし、NHK党の目標達成に寄与するだろうか――。そして、彼が徹底的に批判する参政党との保守層を巡る争いは、今後どのように展開するのだろうか。今後の選挙戦の行方が注目される。
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