杉田水脈が語る参院選の「保守」戦略──日本を救う鍵は「自民党内の保守派」にあり

選挙

元国会議員の杉田水脈氏が、来る参議院選挙に向けて「日本をどうするのかということをしっかり考えている候補がもっとたくさんいないといけない」と述べ、国会における保守派議員の増加が喫緊の課題だと訴えた。杉田氏は、現在の日本が「本当に危ない」状況にあると警鐘を鳴らし、その解決の鍵は「国会議員の中に保守派の割合を増やす」ことにあると強調した。特に自民党内の保守派が、日本の政治を保守の方向へ導く上で極めて重要であるとの見解を示した。

日本の危機と保守派議員の減少

杉田氏は、日本の現状が危機的であると認識している。その最大の原因は「国会議員の中に保守派の割合」が少ないことだという。有権者の中に保守派が少数であることを認めつつも、「私たちが本当に少数派だから日本がこんなに大変なことになっている」と述べ、保守派の国会議員を増やすことの重要性を強調した。

さらに、昨今の選挙で参政党や日本保守党が議席を獲得したものの、「それで回復できているかと言ったらできていない」と、全体の国会議員に占める保守派の割合は依然として低いと指摘する。このままでは「ますます皆さんが望む国会運営から遠ざかっていくことになる」と危機感を示した。

自民党内の保守派が握る政策決定の鍵

杉田氏は、自民党がリベラル化している現状を認めつつも、日本を保守の方向に導くためには、自民党内の保守派が鍵を握ると主張する。野党では政策を止める力が弱いとし、選択的夫婦別姓の問題を例に挙げ、「あれもやはり止めたのは自民党の保守派」の努力であったと説明した。

自身の野党・与党経験から、「野党時代、本当に何回も質問していただいて、その質疑が保守派の拍手喝采を浴びたりとかいろんなことはあったけれど、それで何かが止まるということはないんですよ、野党の質疑でね」と述べ、政策を実務的に止める力を持つのは「自民党の中の保守派が頑張ったから」だと強調した。

新興政党への見解と課題:日本に「時間がない」

参政党や国民民主党、日本維新の会といった新興政党についても言及している。これらの政党が一時的に保守層の注目を集めたことは認めつつも、最終的には期待に応えられなかったとの見解を示した。

特に国民民主党に関しては、「あのLGBT法案の時も同性婚までやれと言っている公約だったし、夫婦別姓も最終的にはあの連合のことを聞いて賛成しますよと」と述べ、期待外れだったと語る。参政党についても、「ここへ行ってもやはりダメだった、ここへ行ってもやはりダメだったというのを何回繰り返したら気がつきますかという部分は正直ある」と率直な感想を漏らした。

また、新規の保守系政党が法案提出権を得るには21議席が必要であり、「なかなか届くまでにはあと何回か選挙を経ないといけない、でもそういう時間が日本に私はないと思っている」と、現状の日本にはその時間がないと指摘した。

「ノンポリ」議員と世論の影響

自民党内の議員の多くが「ノンポリ」であると指摘し、彼らが「世論に引きずられちゃう」傾向にあると述べている。これは、議員が次回の選挙に当選するためには世論の支持を得ることが重要であり、それが政策決定に影響を与えているという見方である。

選択的夫婦別姓の世論調査を例に挙げ、「二択しかやらないようなメディアがあるじゃないですか。二択にすると賛成が70%、反対が30%なんですよ」と述べ、もし反対が多ければ誰もやろうとはしないだろうと指摘する。「ノンポリの人というのは、自分が次の選挙に通らないとただの人になっちゃうから、世論がこっちだと言ったらそっちに引きずられる人が多いから」と、議員が世論に流されやすい構造を説明した。

積極財政への転換と消費税問題

経済政策に関して、自民党内に「積極財政派もあの自民党の中にはすごくたくさんいる」と指摘し、コロナ禍での給付金支給の例を挙げて「緊縮財政の論理はもう破綻している」と述べた。今後の財政政策の転換には、自民党内の積極財政派が鍵を握ると見ている。

森山幹事長の消費税維持発言に対しては強く批判し、「守るべきは消費税じゃなくて国民の生活です」と強調した。さらに、「自民党のある一定の年齢層以上の方とか幹部の方というのは多分ネットリテラシーがゼロです」と述べ、彼らの発言が世論と乖離している可能性を示唆した。

自民党改革への道筋:「自民党の保守派」が鍵

杉田氏は、自民党を「保守の自民党」に戻すためには、外部からではなく「自民党の保守派」自身が改革を推し進める必要があると主張する。元中国大使の「中国共産党を倒すのはアメリカでもない、日本でもない、中国人だ」という言葉を引用し、「やはりその今のリベラルな自民党をちゃんと保守の自民党にするのは、よその党ではなくて自民党なんですよ」と訴えた。

そして、「自民党は嫌いでも自民党の保守派は嫌いにならないでください」と国民に呼びかけ、自民党内の保守派への支持を求めた。

杉田水脈氏の発言は、日本の保守派が直面する課題を明確に示し、その解決には自民党内部の保守派の力が不可欠であるという強いメッセージを発している。はたして、自民党内の保守派は党の路線を保守の方向へ引き戻し、杉田氏が描く日本の未来を実現することができるだろうか――。

【杉田水脈】参院選「保守」は誰に投票すればいいのか【デイリーWiLL】

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