元衆議院議員の杉田水脈氏が、自身への集中攻撃を続ける「オールドメディア」に対し、その批判を逆手に取る独自の戦略で反撃を開始した。自身の信念を貫く「鉄のメンタル」を持ち、今回の選挙を「メディアが潰せなかった政治家」の証明と位置づける。
「オールドメディア」からの集中砲火、その狙いとは
杉田水脈氏は、自身が「オールドメディア」から執拗な集中攻撃に晒されていると認識している。「朝日新聞、毎日新聞、共同、それからあの北海道新聞、東京新聞、いわゆるオールドメディアが社説とかで杉田美の公降臨はとんでもない自民党は差別を要認する党なのかみたいなこと書いてて」と述べ、自身が「差別主義者」として執拗に攻撃されている現状を語った。
杉田氏は、この攻撃がネット上の誹謗中傷とは異なり、組織的なものであることを強調する。その背景には、自身が「アイヌの利権とかそういうところに切り込んでいったからこういう目に合ってるんだ」という、確信に触れる問題に取り組んでいることがあると示唆した。さらに、自身を公認した自民党、特に石破氏までもがメディアから叩かれている現状を指摘し、「杉田を公認したことで普段はあんまり叩かないメディアも石破さんを叩く」と述べ、攻撃が個人に留まらないことを示している。野党からの公認撤回要求に対しては、「党のトップとか総裁が自分の意見と同じ人しか公認してなかったらそれは独裁政党ですよ」と反論し、多様な意見を持つ議員を擁することの正当性を主張した。
「鉄のメンタル」で批判を逆手に取るメディア戦略
杉田氏は、自身への激しい批判にも動じない「鉄のメンタル」の持ち主であると自認している。その姿勢は、『叩かれても叩かれても』と題された自身の著書にも表れている。当初は「メンタルの鍛え方」というタイトルを希望したものの、「叩かれても叩かれてもってタイトルになった」というエピソードを披露し、自身が直面する批判への向き合い方を綴ったものであると説明した。
英国のマーガレット・サッチャー元首相の「むちゃくちゃ嫌われてもいい」という言葉に共感し、「一生懸命自分の信念を通していくんだから嫌われるのは仕方ないんだなと思って。そう思った時からまた一歩全進できた」と語る。SNS上でのアンチからの誹謗中傷に対しても、あえて反論せず冷静に対応しているという。「アンチが自身の投稿を注意深く見ている「ファン」のような存在であると分析し、「何が差別に当たるんでしょうかとか。あの勉強のために教えていただけますかとかって感じで返す」と、議論を促すような対応をとっていることを明かした。
オールドメディアからの攻撃については、「ただで有名にしてくれる」と前向きに捉え、「悪名は無名にまさる」戦略を展開している。さらに、「10人に1人でもちゃんと調べてくれたら儲けもんですよ」と述べ、批判をきっかけに自身の主張を調べてくれる人が増えることを期待している。
メディアの「偏向報道」と公共性への疑問
杉田氏は、特定のメディアが公共の電波を私物化し、偏った報道を行っていることに強い疑問を呈している。TBSの「報道特集」が自身に関する事実無根のスキャンダルを報じようとしたが、「私が言ったわけじゃないから」という理由で頓挫し、代わりにアイヌ問題に関する特集に切り替わったと指摘した。このエピソードから、メディアが自身の不記載問題を報じられなかったため、別のテーマで批判しようとしたという疑念を示唆している。
「報道特集ってなんでしょうね、公共の電波を分け与えられている自覚がないと言いますか」と述べ、メディアが放送法や公共の電波の意義を理解せず、バランスを欠いた報道を行っていると批判した。特に選挙期間中の特定の人物への攻撃(斉藤知事や立花氏の例)は、「何も考えてないんだな」と強い不信感を表明している。杉田氏は、今回の選挙で自身が当選すれば「メディアが潰せなかった政治家がいるっていうことになる」「メディアは政治家1人潰せないんだっていうその証明になるし第一歩になる」と語り、自身の当選がメディアと政治の関係を変える一歩になると考えている。
杉田水脈氏の挑戦は、オールドメディアによる「集中攻撃」を逆手に取り、自身の知名度向上と政治家としての信念を貫く「反撃」の狼煙だ。自身の当選がメディアと政治の関係を変える第一歩となると語る杉田氏の「悪名は無名に勝る」戦略は、果たして有権者にどのように受け止められるだろうか。
コメント