ジャーナリストの須田慎一郎氏は、2025年7月1日付けの日本経済新聞に掲載された国民民主党・玉木雄一郎代表の「賃上げ維持なら消費減税必要ない」との発言が、ネット上で大きな波紋を呼んでいる現状を解説した。国民民主党の主要政策である減税と矛盾するようなこの発言は、参議院選挙を控える中で党への逆風となりかねない状況であると指摘する。
「消費税減税不要」発言が巻き起こした波紋
2025年7月1日付の日本経済新聞朝刊に掲載された国民民主党・玉木雄一郎代表の「国民玉木氏賃上げ維持なら消費減税必要ない」という見出しが、ネット上で大きなハレーションを起こしている。ジャーナリストの須田慎一郎氏は、この発言に対し、「お前もかみたいなね、ネット上で玉木代表に対する批判が溢れ替える」事態になっていると解説する。
日経新聞のインタビューで玉木代表は、「今の数字だと消費減税をしてまで景気を刺激する状況にはない」と述べたという。須田氏は、「今の賃金水準が維持されるならば消費事税必要ない」という見出し通りの発言だとしながらも、なぜこれほど批判が出ているのかを分析する。
国民民主党の「専売特許」と発言のタイミング
須田氏は、国民民主党が「手取りを増やす」を掲げ、減税政策、特に消費税減税が「国民民主党のイメージがあるんだろうと思います」と指摘する。今回の参議院選挙の「この消費税の巡る是非というところに、この発言は不良すぎるんではないのかな」と、玉木代表の発言のタイミングの悪さを強調した。
須田氏自身も過去に玉木代表にインタビューした経験から、国民民主党が最も優先順位を置いているのは消費税減税よりも所得税減税、具体的には「年収103万の壁の178万円までフルスペックでの引き上げ」であるというニュアンスを受け止めていたと語る。しかし、そうした背景を理解していたとしても、「このタイミングで言うというのは、ちょっと不すぎるかな」と、やはり発言の不適切さを認めている。
国民世論の関心事と「切り取られた記事」の影響
須田氏は、現在の国民世論が求めているのは物価高騰に対する具体的な対策であると分析する。先の東京都議会議員選挙の結果からも、「この物価高に対して各党がどういう政策を打ち出し、何を訴えてくるのか、何を選挙公約に盛り込んでくるのかというところが、1つ大きな注目ポイントだった」と指摘する。
また、東京都議会議員選挙では「隠れ総点としてやっぱり外国人問題、これに対して明確なメッセージを発した参政党が議績を確保した、0から3に伸ばしたっていうのは、そこに1つ理由があったんだろうな」とも述べ、物価高騰と並んで外国人問題への関心も高まっていることを示唆した。
玉木代表の今回の発言は、国民が関心を持つ「消費減税に代表されるような、物価等に対する対策」に対して、「極めて後ろ向きの印象しか与えない」結果となった。須田氏は、日経新聞の記事が「年収の壁の引き上げについてはですね、ほとんど触れられてない」点で「切り取られた記事ではある」としつつも、これが「今後大きなハレーションを及ぼしていくことになるんではないのかな」と懸念を示している。
「脇の甘さ」と巡り合わせの悪さ
須田氏は、玉木代表の発言について「国民世論が何を望んでるのか。そこに対してドーンと正面から直球を投げ込むことが必要なんですが、そういった意味で言うとちょっと脇の甘さが出てしまったのかな」と、「脇の甘さ」を指摘する。
須田氏は、「逆風になりつつあるな」と、党全体の流れが芳しくないことを示唆する。この「風きが果たして変わるのかというのも1つ注目ポイント」であると、今後の動向に注目している。
ジャーナリストの須田慎一郎氏が指摘するように、国民民主党・玉木雄一郎代表の「消費税減税は不要」発言は、参議院選挙を前に国民の期待と党の政策イメージとの間に大きな齟齬を生み出してしまった。この発言が国民民主党の選挙戦にどのような影響を及ぼすのか、そして玉木代表がこの逆風をいかに乗り越えようとするのか。今後の国民民主党の動向から目が離せないだろう。
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