ジャーナリストの須田慎一郎氏が、7月20日に参議院選挙の投開票日が設定された政治的背景を解説。これにより「衆参ダブル選挙は事実上消えた」と指摘し、静岡選挙区における立憲民主党と国民民主党の関係悪化にも言及した。政局の裏側を読み解く氏の視点が光る内容となっている。
「7月20日が参議院選挙の投開票日になるという報道が相次いでいる。これは自民党政府サイドから発信されている情報だろう」とジャーナリストの須田慎一郎氏は語る。注目すべきは、この日程が確定したことで「衆参ダブル選挙は完全に消えた」という事実である。
須田氏は指摘する。「本来であれば、参院選の投開票日が20日と決まったという報道よりも、衆参ダブルがなくなったという事実こそ、もっと報じるべきだ」。しかし多くのメディアはそれに触れず、「情報分析が甘い」とバッサリ斬った。
今年の通常国会は6月22日に会期末を迎える。東京都知事選や参院選が控える中で延長は「100%ない」と須田氏は断言。すると「解散を打てる日程が実質今週しかない」。衆院を解散し、投開票を行うには7月13日がリミットだったという。だが「参院選を20日に設定した時点で、そのスケジュールは潰えた。つまり、ダブル選はない」と断定する。
この参院選をめぐり、静岡選挙区の状況が興味深い。須田氏はこう続ける。「立憲民主党は候補者を立てていない。代わりに国民民主党の幹事長・榛葉 賀津也氏を支援する形になっている」。しかし実態は協力とはほど遠い。
「静岡の立憲民主党は全く動いていない。渡辺周氏も『榛葉なんか応援できるか』と不満を漏らしているようだ」と暴露。「応援するどころか、落ちてくれればいいと思っている節さえある」という。
この冷え切った関係に危機感を抱いた立憲民主党本部は、静岡を代表する衆院東海比例ブロック候補の早期決定を促しているという。しかし、現場の反応は鈍い。「決める気がない。やる気がない」。須田氏は静岡県の立憲民主党の現状をそう評する。
「こういった事実から見えてくるのは、立憲民主党と国民民主党の関係は、もはや修復不可能なレベルに達しているということだ」と断じた。「連合が間を取り持っているが、その影響力も弱まっている」。新馬氏にとっても、「ふざけんな、立憲民主党」と思っているに違いないという。
さらに須田氏は、参院選を通じた衆院選への布石にも言及。「参院候補と一緒に将来の衆院候補が活動するのが常道。名前と顔を売る好機なのだ」。しかし静岡ではそれすら行われていない。
「通常なら参院選は事実上の衆院選の前哨戦。だが立憲民主党の静岡は完全に機能していない。こうした事実を見れば、今後、両党が手を結ぶことはまずないだろう」。須田氏は野党共闘の将来に暗い見通しを示した。
「これでは自民・公明にとっては高笑いが止まらないだろうな」と結んだ須田氏。静岡選挙区の一挙手一投足が、今後の政局の行方を左右する可能性もあるだろう。
参院選の日程確定という一見地味なニュースの裏に、衆参ダブル消滅、野党間の不和、選挙戦略の欠如といった重大な要素が潜んでいた。
はたして野党はこのまま分裂と無策を続けるだけなのだろうか――
[引用元]「山尾志桜里氏を参院選全国比例候補に内定させた国民民主党の勢いは失速するか? 反原発派の須藤元気氏、ここにきて迷走、第二の希望の党に?」(https://www.youtube.com/watch?v=35iqK_WJgHo)
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