ジャーナリスト・須田慎一郎が斬る「石破総理の最後の悪あがき」

国内政治

ジャーナリストの須田慎一郎氏が、動画解説で自民党内の政局に鋭く切り込んだ。8月8日の両院議員総会を控え、石破総理が「しがみつきたい」一心で、実現不可能な「80年談話」を政局カードとして利用している現状を分析する。

「リコール規定」が発動される両院議員総会

8月8日に開催される自民党両院議員総会が、石破総理の進退を巡る重大な局面だ。7月28日の懇談会が緩やかな意見交換に留まったのに対し、両院議員総会は「自民党の重要事項を決定するための協議体」であり、石破総理総裁の進退に大きな影響を与える可能性がある。

須田氏は、総裁の任期満了を待たずに前倒しで総裁選を実施できる党則第6条を「いわゆるリコール規定」と呼ぶ。この規定が適用されるためには、自民党所属の衆参両院議員の過半数、そして47都道府県連の過半数の賛成が必要となる。

前回の両院議員懇談会では、発言者の65%が石破総理の辞任を求めていたことから、須田氏はすでに「半分以上がクリアしているのでは」と推測する。両院議員総会の開催自体も、規定に基づき署名が集まった状況で森山浩司幹事長が「先手」を打って決定したものだ。これらの状況から、両院議員総会が開催されれば「総裁戦の前倒しが、決まることはほぼ必須の状況」だと分析する。

「80年談話」を巡る巧妙な政局利用

もう一つの核心的なテーマは、石破総理が「80年談話」を党内政局に利用しようとしているという指摘だ。

これまでの「70年談話」(安倍政権下)は、「子供たちの代に引き継がせない」という意向で、戦後の談話に終止符を打つというコンセンサスが自民党内にあったと解説する。

しかし、須田氏によると、左派リベラル勢力は、安倍政権の70年談話を「許すことができない」とし、「アジア各国に対する謝罪を色濃く前へ出すべきだ」と主張し、石破総理に80年談話を出すよう求めている。

しかし須田氏は、石破総理の真の意図はこれを「党内政局に巧妙に使おうとしている」ことにあると見ている。石破総理は、談話を出させまいとする勢力を「不俱戴天の敵である安倍首相を貶しめることに反発した連中」と見なす構図を作り上げていると推測する。つまり、自身の辞任要求を「安倍批判を許さない勢力の陰謀」として矮小化しようとしているのだ。

しかし、須田氏は「談話と言っても、総理が何か適当に書いて発表できるものではない」と断言する。談話の発表には閣議決定や衆参両院の承認が必要であり、物理的に「時間的に無理」な状況だという。それでもなお、石破総理が「有力なカードを今失うわけにいかない」という理由から、政局カードとして利用し続けていると語る。

権力の座にしがみつく「最後の悪あがき」

須田氏は、石破総理が総理の座に「しがみつく」姿勢を崩していないと繰り返し指摘する。「80年談話」を政局に使うこと自体は「無理筋なんですが」、石破総理は「世論はそんなことは知ったことっちゃない」と考えており、このカードを手放すつもりはないと推測している。

実際に80年談話の発表が間に合わなくても、代わりに「所感と言ったらいいんですか、ちょっと考えをまとめてみましたみたいなものを発表する」可能性にも言及する。

結論として、須田氏は今回の80年談話を巡る騒動を「最後の悪あがき」と断じている。これは、石破総理が権力の座に留まろうとする強い執着の表れであり、自民党内での激しい権力闘争が続いていることを示唆している。

はたして、石破総理は両院議員総会を乗り切ることができるのだろうか――。

ジャーナリスト・須田慎一郎が斬る「石破総理の最後の悪あがき」

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