元テレビ局員・下矢一良が解説!参院選後のメディア動向と「修羅場」の政治記者たち

元テレビ局員・下矢一良が解説!参院選後のメディア動向と「修羅場」の政治記者たち 最新ニュース
元テレビ局員・下矢一良が解説!参院選後のメディア動向と「修羅場」の政治記者たち

元テレビ局員の下矢一良氏が、参議院選挙後のメディアの動き、特に政治報道の焦点と内部の状況について解説した。躍進した参政党への徹底的な調査や、多忙を極める政治記者たちの「修羅場」のような状況を指摘。一方で、議席を獲得できなかった石丸氏(石丸伸二氏)のような新興勢力へのメディアの関心は「ほぼほぼ取材は減る」だろうと予測した。

参政党へ向けられる「週刊子」と「新聞」の「お金の動き」と「スキャンダル」追及のメス

参議院選挙で躍進した参政党は、メディアの主要な取材対象となる。下矢氏は、「間違いなくやってくるのはお金の動きですね」と述べ、政治資金報告書などの公開データや、個人的な資金の流れが徹底的に調査されることを予測する。

週刊誌の得意分野としては、「スキャンダルですよ。政治資金規制法とか、個人的なお金の流れとか、あとは一番分かりやすいので言うと女性あるいは男性関係」が挙げられる。当選したことでニュースバリューが高まるため、これまで温められていた情報が「ぼちぼち出てくる」可能性が高いとされる。

内部情報のリークについても、「おそらく組織内で色々対立とかもあったことも」と推測し、「追われた人とかね。本当は立候補したかったんだけどさせてもらえなかった人とか、今の体制に恨みがあるよっていう人たち」からの情報提供により、スキャンダルが表面化する可能性が指摘されている。

しかし、参政党のスキャンダル耐性については、従来の政党とは異なる見方を示す。参政党はメディアやSNSで既に批判にさらされてきた経緯があるため、「文春砲とか出ても、よほどひでえなっていうもんじゃない限りはそんなに変わらないのかな」と分析する。これは、急成長・急拡大する政党や企業の「宿命」であり、「書かれる側としては諦めるしかない」ものだと捉えている。

政治記者の「修羅場」:野党担当の負担増と「生き生きする連中」

参議院選挙の結果は、メディア、特に政治記者にとって、今後の業務に大きな影響を与える。

野党担当記者の負担増は顕著だと下矢氏は指摘する。これまで「野党側ってすごい薄い」取材体制で、「2人ぐらいで見てる」ような兼務が一般的だったという。しかし、今回の選挙で「参政党、維新、国民主党が、自民党のパートナーの連立政権かもしれないし、法案ごとに組むみたいな話かもしんないけどあり得るわけですよね」となり、取材対象としての重要性が増したため、「掛け持ち組がめちゃめちゃ大変になるはず」だと予測する。NHKのような人員の多い局は別として、多くのテレビ局では「野党担当の体制構築は大変だろうな」と見ている。

与党担当記者の継続的な多忙も続く。岸田総理が辞任しない意向を示しているため、与党、特に総理周辺の取材も手抜きできない。「石破総理やめろって言ってる人たちの取材もそれぞれの担当者がしなきゃいけないので全員フル稼働なんですよ」。もし総理が辞任していれば一息つけますが、現状では「誰も一息つけない」状況が続いていると語る。

このような多忙な状況下で、政治記者は「めっちゃ生き生きする連中が大量に出てくる」という現象が見られるという。彼らはこのような「修羅場というか、権力闘争というか、こういうごちゃごちゃがいっぱいあるような状況をなぜか楽しそうにしている人たちが増える」と述べられている。

石丸氏へのメディア対応の変化:「取り上げる理由がない」

参議院選挙で議席を獲得できなかった石丸氏(おそらく石丸伸二氏)に対するメディアの扱いは変化するだろうと下矢氏は予測する。「取材は減ると思うんですね」。理由は「議席を1つも持ってない政治団体なので取り上げる理由がない」ためだと説明する。

取材体制も簡略化される。「これからはもう記者は行かなくていいかと。カメラだけ行っといてくれ」といった対応に変わる可能性があるという。これは「あんまり重要度が高くない記者会見とかでそういう対応する」もので、映像のみの記録に留まることになると指摘した。

参議院選挙後、日本のメディア、特に政治報道は、「参政党軸に取材が進んで、プラス自民党の権力争いというか、次の総理の座争いが取材対象になる」という状況だ。これにより、政治記者は「選挙終わったからといって一段落は当分できずに、ずっとバタバタバタバタしなきゃいけない」非常に多忙な日々を送ることになると下矢氏は語る。はたして、メディアの厳しい視線にさらされる中で、各政党はどのような動きを見せるだろうか――。

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