実業家の佐藤尊徳氏が、2025年参院選を目前に控えた自民党の苦境と、参政党の勢いについて緊急分析を行う。各社の情勢調査で「自民党が過半数割れするみたいな報道がちらホラ出始めた」と佐藤氏は指摘。有権者の「変化を望む」意識が選挙戦を動かし、自民党は「地滑り的な敗北」に直面する可能性があると語る。特に、地方で地道に組織を築いてきた参政党が「勢いが今すごい」状況にあり、その躍進の背景には、既存政党への不満と、変化を求める有権者の期待があると解説する。
自民党、過半数割れの危機と「アナウンスメント効果」
いよいよ7月20日に迫る参議院選挙。実業家の佐藤尊徳氏は、各報道機関の情勢調査で「自民党が過半数割れするみたいな報道がちらホラ出始めた」ことに言及する。以前から囁かれていたものの、メディアの報道が加熱している背景には、「アナウンスメント効果」があると佐藤氏は解説する。
もし当初から「自民圧勝」と報じられていれば、「行ってもしょうがないやっていう風になるから」と、変化を望む有権者が選挙への参加意欲を失う可能性がある。しかし、今回の選挙では最初から「自公過半数取れるかどうか微妙な情勢」であり、実際、都議選などを見ても自民党が「もっと取れると思ってたのに全然取れなくてやばい」状況にあるという。
参議院選挙は本来「政権選択の選挙じゃない」が、今回は「衆議院で過半数持ってないから参議院でも過半数割れたらこれは大事だってことで注目をされていた」と佐藤氏は指摘する。その上で「さらに過半数ギリギリちょっと面白いじゃん」と述べ、この状況が「変化を望む人たちが選挙に参加する効果は大きく」なっていると分析した。
自民党・公明党の組織が対策を講じる可能性はあるものの、「そもそもが最初っから負けそうだから」と佐藤氏は見る。こうした状況下で「じゃあ立民に入れよう」と考える有権者は少ないとしながらも、「今の現状に不平とか不満とかあって、そういう人たちが別に野党のどこがいいとかっていう風に明確に思ってる人の方が少ない」と指摘する。しかし、「自公に任せているのが嫌だっていう人たちが、掘り起こされてきて今の状況になってる」ため、「負けんじゃねと思うよ」と、自民党の敗北を予測した。
佐藤氏は、正確な議席予測は「誤差もあるから勝つ場合もあるけど」と前置きしつつも、「どんどんどんどん情勢は事項に不利に行っている」という見方を示す。「変な失言とかそういうことが起きなければ」野党にとって有利な状況だという。
期日前投票についても言及し、「期日前投票が1000万人弱だね」と、有権者の約10%がすでに投票を済ませていることに触れた。投票率の上昇が期待されるが、「記日前投票が多いからといって投票率が上がるかって言うとねこれはあんまり相関はしないんだ」と佐藤氏は解説する。選挙に関心がある層が期日前投票を利用する傾向があるためだという。しかし、佐藤氏は「自公の組織は弱ってきている」と断言し、過去の衆議院選挙で投票率が低いにもかかわらず自公が敗北したことに触れ、「今回負けると思うよ」と改めて自民党の敗北を予測した。
自民党「大敗」の現実味と参政党の躍進
佐藤氏の手元にある自民党の情勢調査データによると、「1人区が勝敗を分ける」という。全国32ある一人区のうち、「自民が圧倒してるところが4個しかなくて残りが接戦みたいな形になってて結構面白い」と佐藤氏は語る。複数人区は「大体分け合う」ため、一人区の結果が鍵を握るとの見方だ。「これやっぱ自民大敗あり得る」と佐藤氏は断言する。
「接戦」という報道が、有権者の意識を変えると佐藤氏は見る。特に地方では新聞を購読している高齢者が多く、「情勢は地元の方が出る」ため、「あれこれ頑張ればもしかしたら落とせるかも」という意識が芽生え、「むくむくっと立ち上がったりもする」という。最初の情勢では自公が優勢だったはずが、「接戦になってきちゃったっていうことは逆転する可能性も大きい」と指摘する。2009年や2007年の選挙で自民党が「6勝ぐらいしかしてない」状況に陥る可能性は十分あると述べた。
自民党が優勢なのは「地方しかないよ」と佐藤氏は述べ、自民党がどんどん状況化している現状と対比するように、現在「ネット含め熱いって言われてるのが参政党」だと語る。
参政党の勢いについて佐藤氏は、「どんどんどんどん報道もされるし回るし」と、その認知度が高まっていることを指摘する。アンチもいるが、「悪名は無名に勝る」という言葉を引用し、「名前が出れば出るほどこれ行けるかもしれない、知らない人も含めて勝ち馬に乗る」という心理が働くため、票が集まる可能性を示唆した。
参政党が比較的新しい政党であるにもかかわらず、「地道に地方組織を作ってきてる」と、その組織力の高さを評価する。SNSだけでなく「足腰を作ってきたら」勢いが増すものであり、「うまかった」と佐藤氏は語る。。
「当初よりも勢いがすごい」と改めて述べ、「自民党の票を持ってってるのが大きい」と分析する。特に「今の自民はリベラルだし、石破は嫌」という層や、「自民じゃないからって立憲も嫌だよな」という有権者が参政党に流れていると見る。
国民民主党の動向と選挙の構図
参政党以外にも「国民民主とかもある」と佐藤氏は指摘する。「一時期勢い落ちたかなっていう印象を受けたんですけど、なんだかんだ2桁行く」という。佐藤氏は「もっといけたと思うけどアホやな」と、国民民主党の伸び悩みには改善の余地があると感じているようだ。しかし、それでも「3倍か4倍ぐらいになる」と予測し、複数人区や滋賀のような選挙区では議席を獲得する可能性もあると語った。
今回の選挙の構図は、「与党対野党」であり、「今の与党が気に入らないっていう人たちがどこに入れるかってだけの話」だと佐藤氏はまとめる。特定の政党に明確な支持がある有権者は少なく、「その時々によって変わってる」と分析した。
はたして、佐藤氏が予測する自民党の「ジスべり的敗北」と参政党の躍進は現実となるだろうか――。有権者の「変化を望む」力が、日本の政治地図を大きく塗り替えるかもしれない。
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