参政党代表で参議院議員を務める神谷宗幣氏が、参議院選挙の公示日に「日本人ファースト」を掲げ、熱い訴えを行った。全国45の全ての選挙区に候補者を擁立し、比例代表には10名を立て、合計55名で夏の17日間を戦い抜くと意気込む。神谷氏は、インターネットで国民から支持を集めてきた「手作り政党」である参政党が、グローバリズム、貧困問題、少子化といった日本の課題にどう立ち向かうのかを詳細に語った。
「日本人ファースト」に込めた参政党の思い
壇上に立った神谷氏は、参政党が2020年に「私が発起人となってインターネットで人を集めて作った政党」であり、「純粋に1人1人の国民がインターネットを見てこの政党で日本を変えられないかなとそういう思いで集まった政党が参政党です」と、その成り立ちを説明した。そして、わずか3年で150名の地方議員を擁するまでに成長した背景には、「全国に289衆議院の小選挙区がありますがそこに287の支部がある」体制と、全国の党員や地方議員が「手弁当で一生懸命全国で手作りでやってきた」努力があると強調する。
今回の選挙のキャッチコピー「日本人ファースト」には、以下の深い意味が込められているという。
「今日本人の生活がどんどん苦しくなってますよね。30年経済成長しない中でだんだん中間層がいなくなって貧困層が増えてきました。逆に一方で富裕層も増えてるんですね。これ数年前からよく言われてきた格差というやつです」と現状を憂い、国民の暮らしを守ることが最優先であると訴える。
グローバリズムへの警鐘と「反グローバリズム」の潮流
国民の生活が貧困化してきた背景に、参政党は「結党当時からグローバリズムというものがあるということを訴えてきました」と主張する。グローバル化によって「グローバル企業というものを生まれて国の垣根を飛び越えていろんな規制をとり、多国籍の大企業がどんどんどんどん世界の経済を席巻してるという現実ありますよね」と述べ、富が一極集中し、それが国の規制をも変えていく現状を問題視する。
神谷氏は、このグローバリズムの流れに世界中で抗う動きが生まれていると指摘し、「アメリカではトランプ大統領もこの流れで生まれてきた大統領だと我々は考えています。そしてヨーロッパでも南米でもそういった反グローバリズムと言われるそういう政党が力を持ってきてるんですね」と語る。参政党も同様に、「まず自国民の生活をしっかりと守っていこう」という意識のもと、外国資本による日本の土地やインフラ、企業株の買い占めに対し「一定の規制をかけていこう」と訴える。
治安維持と賃金向上:外国人の受け入れと対策
外国人受け入れについては、「観光で来られるのは別に構わないけれどもですね、安い労働力だと言ってどんどんどんどん外国の方を入れていったら結局日本人の賃金上がらない」と警鐘を鳴らす。不法滞在者や不法就労者が集団で万引きや薬物犯罪、窃盗、強盗といった犯罪に手を染めることで「日本の治安が悪くなる」ことを懸念し、「そういった治安の悪化を我々は防ぎたい」と強調した。そのために、警察や行政の人員配置を強化し、治安維持を図る必要性を訴えている。
経済再生の切り札は「減税」:国民負担率35%を目指す
参政党が国民経済を復活させるために掲げる「1丁目1番の政策は減税」である。神谷氏は、国民の税金と社会保険料の合計である国民負担率が「今46%ぐらいになってます」とし、これを「35%に下げる」ことを目指すと明言した。これは「多分10ある国政政党の中で1番大きな減税を言ってるのは参政党です」と自信を見せる。
財源については、「5年間なら5年間、10年間なら10年間と1回決めてですね、国民の皆さんにお金を使ってもらう」と述べ、国民にお金を使ってもらうことで経済を活性化させる考えだ。さらに、「なるべく国内で使うか、なるべく国内に投資をしてもらう」よう政府が促すことで、国内経済の循環を促し、停滞するGDPを「5年から10年の間で倍ぐらいにしないと、自民党みたいに15年で1.5倍は少なすぎます」と述べ、早期の経済成長を目指す。
少子化対策:「若い女性」への支援と月10万円の教育給付金
経済の停滞が人口減少にも繋がっているとし、特に少子化問題に「ものすごく力を入れていきます」と語る。神谷氏は、男女共同参画や女性の社会進出を認めつつも、「子供を産めるのも若い女性しかいないわけですよ」と現実を直視し、「日本の人口を維持していこうと思ったら若い女性にね、子供生みたいとか、子供産んだ方が安心して暮らせるなという社会状況を作らないといけないのに、働け働けってやりすぎちゃったわけですよ」と、これまでの政策のバランスの悪さを指摘する。
その上で、若年女性が働くことと子育てを選択できる社会を目指し、「月10万円子供1人あたり月10万円の教育給付金」を支給する政策を提案する。これにより、「子供1人だから0歳から15歳1人1800万円2人たら3600万円ね。これぐらいあればパートに出るよりもね、事務でアルバイトするよりもいいじゃないですかね」と述べ、子育ての労力と国の未来を作る仕事への対価を評価する姿勢を示した。
第3の選択肢としての参政党:国民中心の政治
神谷氏は、今回の選挙が「自公政権が過半数を維持できるかどうかということが想定になっています」と述べ、参政党が「大きなキャスティングボートを持つかもしれない」と期待を寄せる。もし参政党が多くの議席を獲得すれば、「行政権が足りないところに参政党の票が必要だという風になれば我々が提案する」と、政策実現への意欲を語った。
参政党がこれまで訴えてきたコロナ政策の見直し、スパイ防止法の制定、減税、食の安全といった政策を、与党にも野党にも提案していくと述べ、「それができるかできないかは国民の皆さん次第です」と、国民の力を求めた。
「インターネットで作った国民中心の手作り政党」である参政党は、「バックには国民しかいません、組織がありません、お金ももらっていません」とし、国民の一票が「そのままダイレクトに反映される」政党であると強調する。
この選挙で日本の進むべき方向性を変え、「次の政権選択の解散選挙で日本の方向性を本当に90度ぐらい変えましょう」と呼びかけた。国民が判断し、参政党に力を与えることで、「最も国民の声がしっかりと反映できる党に我私たちはできている」と、国民中心の政治を実現する決意を語った。
参政党が掲げる「日本人ファースト」は、単なるスローガンではなく、日本の根深い問題を解決し、国民が安心して暮らせる社会を取り戻すための具体的なビジョンである。はたして、国民の期待を背負った参政党は、この夏の選挙戦で、日本の未来に新たな光を灯すことができるだろうか――。
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