鮫島浩が読み解く──都議選で参政党が示した草の根革命の現実味

都議選で何が起きた?──鮫島浩が読み解く、賛成党の“静かな革命” 選挙
都議選で何が起きた?──鮫島浩が読み解く、賛成党の“静かな革命”

ジャーナリスト・鮫島浩が、2025年都議選での賛成党の「躍進」に注目する。世田谷・練馬・大田の激戦区で次々と当選者を出し、無党派層の受け皿として台頭。既存メディアが見逃す新勢力の台頭を、独自の視点で分析する。

「今回の都議選で、最も注目すべきは参政党の躍進だろう」と断言する鮫島氏。メディアが「都民ファーストの勝利」「国民民主の善戦」といったテンプレ的報道を繰り返すなか、その陰で実は、無党派層の新たな受け皿として参政党が確かな存在感を放っていた。

世田谷区・練馬区・大田区の3選挙区で次々と当選者を出した参政党。世田谷区では、35歳の新人・望月氏が4万票超を獲得し、自民現職に肉薄して堂々の2位当選。「都ファ」「国民民主」「立憲」「共産」「公明」の現職勢を押しのけての結果である。これは偶然ではない。

「無党派層が真に選んだのは、れいわでも、維新でも、再生の道でもなく、参政党だった」──鮫島氏はこの結果をそう読み解いている。練馬区では女性新人・江崎氏が3位で当選、大田区では男性新人・茂上氏が4位で当選。いずれも激戦のなか、強固な地盤を持つ既存政党を退けての勝利だ。

なぜここまでの勢いが出たのか。その理由として鮫島氏は3つ挙げている。

第一に、候補者の「顔ぶれ」である。賛成党は全国で45人もの候補者を立て、その平均年齢は45歳。30代・40代が中心で、しかも経歴が多彩。大学教員や医師、看護師、起業家、農家、元派遣社員──「この社会のリアル」が候補者に反映されている。

第二に、組織力の柔軟さだ。賛成党は「議員中心」ではなく「党員中心」の政党である。各地の支部は党員が自ら立ち上げ、そこから候補者を擁立する。中央が候補を決めて送り込むのではなく、草の根から政治家を生み出す構造である。産経新聞は「党員が主役の政党」と評したが、まさにその通りだ。

「支部の運営は各地に任せている。その自由さが、やる気を引き出している」と神谷代表は語っている。中央集権型の運営に固執する既成政党とは対照的である。

第三に、ネット戦略である。YouTube登録者数は33万人を突破。国民民主(25万人)、維新(10万人)を大きく上回り、令和(37万人)にも迫る勢いだ。ホームページのデザインや候補者のプロフィール写真の見せ方も洗練されており、「若者に届く政党」になりつつある。

「この夏の参院選で台風の目になるのは賛成党かもしれない」──鮫島氏はそう見ているようだ。彼らは比例代表に9人、選挙区にも多数擁立し、「6議席以上」を目標に掲げている。3年前の137万票を超える結果が出れば、既存政党を上回る可能性もある。

もちろん、参政党には課題もある。右派的な外交・安保政策が強調されがちで、メディアには「極論政党」として紹介されることもある。しかし現実には、食の安全や農業政策といった生活密着型の訴えに共感する人も多い。「右か左か」ではなく、「顔の見える政治かどうか」が選ばれる時代に入ったのだ。

昨年秋の衆院選では、限税で国民民主が話題をさらい、ネット人気で石丸慎二氏が躍進した。しかし今、その勢いは確実に参政党へとシフトしている。

はたして、参政党が「草の根革命」の主役になるのか――

[引用元] 山尾志桜里氏を参院選全国比例候補に内定させた国民民主党の勢いは失速するか? 反原発派の須藤元気氏、ここにきて迷走、第二の希望の党に?(https://www.youtube.com/watch?v=35iqK_WJgHo)

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