政治ジャーナリスト・鮫島浩が読み解く!「ねじれた民意」の先に「玉木総理」の可能性

国内政治

政治ジャーナリストの鮫島浩氏が、TBS電話世論調査の結果を基に、現在の日本政治に漂う「前代未聞のねじれた民意」を分析する。石破政権の不支持率が過半数に達しながらも、「辞任不要」が上回る謎を解き明かし、その先に「玉木政権誕生の可能性が見えてくる」と大胆に予測する。

「支持はしないけどやめないで欲しい」という謎の民意

TBSが2024年8月2日~3日に実施した電話世論調査によると、石破総理の内閣支持率は36.8%に留まり、不支持率は60.5%と過半数を超えている。にもかかわらず、「石破総理は辞任する必要はない」と答えた人が47%に達し、「辞任すべき」を4ポイント上回るという、奇妙な結果が出た。

鮫島氏は、この現象を「支持はしないけどやめないで欲しい」という「前代未聞のねじれた民意」と表現する。この「ねじれ」の背景には、旧安倍派の面々が石破おろしを主導していることへの反発や、ポスト石破候補とされる高市早苗氏や小泉進次郎氏よりも「石破の方がマシ」と考える層が多いことが指摘される。石破政権自体が「消去法で選ばれた『よりマシ』な政権だった」との見方も示されている。

自民党への不信と野党支持率の変動

今回の世論調査で最も注目すべき点は、自民党の政党支持率が20.4%にまで低下し、「ついに10%台が見えてきました」と鮫島氏が語るように、自民党全体への不信感が強いことだ。

国民は石破政権以上に「自民党を嫌っている」。「自民党に期待できないから」という回答が46%に達し、「石破政権に期待できないから」の20%を大きく上回った。この結果は、「国民世論の叫び」として「自民党以外の総理大臣」が求められている状況を反映している。

一方、野党勢力には変動が見られる。参政党が4ポイント上昇して10.2%となり、野党トップに躍り出た。電話調査でのこの結果は注目に値し、ネット調査ではさらに支持が伸びる可能性が示唆されている。国民民主党は2.8ポイント上昇し8.7%で3位、立憲民主党は0.6ポイント上昇の6.9%で4位に転落し、「野党のリーダーとして各党をまとめ上げる力はもはやありません」と鮫島氏は分析する。

今後、日本政治は自民、立憲、国民、参政の4党を中心に動くと予測されている。

野党連携の課題と「玉木総理」誕生の可能性

今のような野党を中心とする政権に交代」を望む声が49%と、「自民公明を軸とする政権継続」の39%を上回った。しかし、「野党」という言葉が指すイメージは多様化しており、かつての立憲民主党一強ではなく、参政党や国民民主党も含まれるため、具体的な政権像はバラバラだ。

鮫島氏は、世論が石破政権を支持しないが、それ以上に自民党を支持していないと指摘する。石破後の自民党内の総裁選で新しい総裁を選んでも、世論の支持は得られない可能性が高い。

自公政権が世論の支持を取り戻し、政権を維持する唯一の方法は、「新たな連立パートナーを迎え入れ、その党首を総理大臣に担ぐ」ことだと分析する。

参議院選挙で躍進した国民民主党との連立、すなわち「玉木代表を総理に担ぐ」という「自公国民連立政権」が唯一の道であると結論付けられている。

これは、かつての自社連立政権で社会党の村山富市氏を総理大臣に担いだように、他党の党首を担ぐことで政権を延命させる可能性を示唆している。

石破は支持しないがやめなくても良い」という民意の先に、「玉木政権誕生の可能性が見えてくる」と締めくくられている。

はたして、自民党は「総総分離」という奇策に打って出て、政権の延命を図るだろうか――。

政治ジャーナリスト・鮫島浩が読み解く!「ねじれた民意」の先に「玉木総理」の可能性

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