政治ジャーナリストの鮫島浩氏は、参議院選挙における与党の「歴史的惨敗」が、現職の石破総理大臣の立場を極めて困難にしていると指摘した。通常であれば選挙当日に即刻退任表明すべきところ、「まさかの続投表明」を行った石破総理を、「ここまでズぶい総理大臣は見たことがありません」と酷評。麻生太郎氏が「石破のやつ、全くやめる気がねえ」と激怒し、「真っ先に続投は許さん」と述べ、石破おろしに火をつけたと語る。石破総理は党内で「完全孤立」「四面楚歌」の状態にあり、次期総理の座を巡る麻生氏、高市氏、岸田氏らの思惑が交錯する夏の政局は「はちゃめちゃ」な様相を呈していると分析した。
石破政権の窮地:「歴史的惨敗」と「粘り」の総理
政治ジャーナリストの鮫島浩氏は、参議院選挙における与党の「歴史的惨敗」を受け、現職の石破総理大臣の窮地と、その後の政局の行方について詳細な分析を行った。
参議院選挙での大敗は、石破政権に対する「主権者の国民からの直接不信任」と見なされている。鮫島氏は、「本来なら(選挙)当日の夜に即刻退任表明すべきです」と厳しく批判した。
しかし、石破総理は深刻な状況にもかかわらず、「まさかの続投表明」を行い、鮫島氏は「ここまでズぶい総理大臣は見たことがありません」と評する。その理由として「いつ起こるか分からない自然災害」を挙げたことは、「日本が呆れ返りました」と酷評されている。
自民党内では「やめろの大合唱」が起こり、頼みの綱であった立憲民主党の野田代表からも「突き離され」ているという。結果として石破総理は党内で「完全孤立」「四面楚歌」の状態にあり、皮肉にも野党(立憲・共産支持者)からは「石破やめるな」というエールを送られているのが現状だと語る。
ポスト石破を巡る激しい駆け引き:麻生氏の怒りと高市氏の決意
石破総理の退陣が不可避と見られる中で、次期総理の座を巡る動きが活発化している。その中心には、政局のキーパーソンである麻生太郎氏がいる。
麻生氏は石破総理の退陣を強く求めており、「石破のやつ、全くやめる気がねえ」と激怒し、「真っ先に続投は許さん」と周辺に語り、「石破下ろしに火をつけました」。石破総理が退陣の意思がないことを表明した際には、「麻生さんの怒りは燃え上がりました」「ガソリンを注いでいます」と、その強い反発を表現した。
麻生氏は「どうせ秋の臨時国会は乗り切れない」「長くても8月末までだ」と石破総理の退陣を確実視し、その流れを「どんどん作り追い込んでいく作戦」を進めているという。また、与党が衆参両院で過半数を割っている現状を認識し、「(石破)を引きずり下ろしたところで、その後の総理大臣指名選挙で、新しい自民党総裁が勝てる保証はありません」と懸念を示している。そのため、唯一存続している自身の派閥「麻生派」の会議で「野党と連立できる総裁を選ぶしかない」という考えを伝えている。
一方、世論調査で人気1位の高市早苗氏は、ポスト石破の最有力候補の一人と見られている。参議院選挙前から「私なりに腹をくくった」と宣言し、ポスト石破への「意欲をみなぎらせていた」と鮫島氏は語る。「国民民主党や参政党に流れた保守層を自民に引き戻すには高市しかない」という声が自民党内で広がっているそうだ。
しかし、「最大の壁は少数与党国会」だと指摘する。自民党内では「高市を自民党総裁に担げば、逆に野党が高市阻止の一点で結束し、総理大臣指名選挙で負けてしまうかもしれない」という懸念が強いという。野党、特に立憲民主党や共産党からは「高市だけは絶対阻止」という声が強く、「野田政権は諦めても…国民民主党の玉木を総理に担ぐ野党連立政権を作ろう」という声も上がっているそうだ。高市氏には「野党の警戒を解いて初の女性総理になれるのか」が問われる一方で、「野党に歩み寄れば安倍支持層が離反してしまうかも」というジレンマに直面しているという
その他のポスト石破候補と政局の複雑性
他のポスト石破候補として、岸田文雄氏が「石破を見捨て狙うは再登板」であり、「増税メガネ、総理の椅子が恋しくて仕方ありません」と報じられている。茂木敏充氏は「石破下ろしへ全力疾走」しており、自身の側近が石破退陣を求める署名活動を仕掛けているという。小泉進次郎氏は世論調査で高市氏と次期総理トップを争っており、「自民党内には進次郎しかいないとの声」もあるが、「果たしてセクシー政権は誕生するのか、注目度だけは超一流です」と述べた。萩生田光一氏は「野党に政権を開け渡せ」と森山会議長に申し入れたが、「本当の狙いは高市さん」であり、「保守層を引き戻すには高市政権しかない」と考えているという。この「萩生田さんらしい捨て身の反撃」は「もちろん本気ではありません」と分析する。
現在の政局を貫く主要なテーマは、石破総理の「粘り」と自民党の危機だ。「もはや誰もこの総理の言うことを信じません」「政治への信頼を根っこから崩してしまいました」と厳しい評価が下された。ポスト石破を巡る主導権争いは激化し、麻生氏、高市氏、岸田氏、茂木氏、小泉氏など、複数の有力者が次期総裁の座を狙っている。
与党が衆参両院で過半数を割っているため、次期総裁が選ばれても安定した政権運営ができるかは不透明だ。特に、高市氏のような特定の色が強い候補では野党の連携を招き、総理指名選挙で敗北する可能性も指摘されている。野党は「高市だけは絶対阻止」で結束する可能性が示唆される一方で、立憲民主党の野田代表でのまとまりは難しく、国民民主党の玉木氏を担ぐ「野党連立政権」の可能性も議論されている。
参議院選挙では「自民と立憲の二大政党が敗北し、国民民主党や参政党の第三局が躍進」したことから、「二大政党時代の終焉を飾るにふさわしい総理大臣として歴史に名を刻まれるでしょう」と、石破総理の退任後の評価について言及された。
政治ジャーナリストの鮫島浩氏は、「真夏の政局は激しく動きます」と予測しており、8月末までの石破総理の退陣表明の有無、そしてその後のポスト石破を巡る動きが注目されると語る。特に、麻生氏の動向や、高市氏が野党との関係性をどのように構築していくかが焦点となるだろう。政局は「はちゃめちゃ」な様相を呈しており、今後の展開は予断を許さない。はたして、混迷を極める日本の政局は、一体どこへ向かうのだろうか――。国民の政治への信頼が揺らぐ中、次期リーダーに求められる資質は何か、その問いは今、国民一人ひとりに投げかけられている。
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