須田慎一郎が斬る──蓮舫の全国比例出馬、「吉」と出るか「凶」と出るか

蓮舫は立憲を救えるのか──須田慎一郎が読み解く“全国比例”の重圧 選挙
蓮舫は立憲を救えるのか──須田慎一郎が読み解く“全国比例”の重圧

ジャーナリストの須田慎一郎氏が、蓮舫氏の参院選全国比例出馬について解説。立憲民主党の戦略的決断とその是非、連合との軋轢、共産党との関係、そして今後の選挙戦への影響などを鋭く読み解いた。

「さあ、吉と出るか凶と出るか──」。ジャーナリストの須田慎一郎氏がそう語るのは、蓮舫氏の全国比例出馬に関してである。立憲民主党が次期参院選(7月20日投開票予定)で、全国比例の候補者として蓮舫氏を擁立する決定を下したことに対して、須田氏は「党にとってプラスになるか、それとも逆効果になるか、非常に判断が難しい」と指摘する。

蓮舫氏は、昨年の東京都知事選に立憲民主党公認で出馬。現職の小池百合子知事に敗れたどころか、石丸伸二氏にも後塵を拝し、まさかの3位という結果に終わった。「あの選挙戦では、蓮舫氏と共産党の結びつきが非常に強く印象づけられた」と須田氏は振り返る。

「選挙中、共産党単独の応援イベントでは、まるで昭和のプロパガンダ劇のような人形劇まで飛び出した。その場に蓮舫氏がいなかったとはいえ、有権者の目には『蓮舫=共産党』というイメージがこびりついてしまった。これが連合にとっては我慢ならなかったのでしょう」

実際、立憲民主党の最大の支持母体である連合は、蓮舫氏の擁立に強く反対したとされる。共産党との接近を問題視し、支援継続を再考する動きすらあるという。須田氏は「連合の支援が不透明になれば、党全体の選挙戦にも影響を及ぼす。野田佳彦代表の体制にとって、これは相当な賭けになる」と警鐘を鳴らす。

東京選挙区ではすでに立憲の候補者が決まっており、蓮舫氏が戻る“椅子”はない。そのため比例区転出という形になったが、そこにはもう一つの狙いがある。「比例区というのは、候補者1人の当選だけでなく、どれだけ票を“かき集める”かが勝負になる。蓮舫氏ほどの知名度があれば、本人だけでなく党全体の得票数を底上げできる。その意味で『蓮舫効果』を期待しての擁立だ」と須田氏は読み解く。

しかし、全国比例の当選ラインは決して低くない。「10万票程度では厳しい」と須田氏は見る。加えて、立憲民主党の他の比例候補には「有権者の関心を惹きつけるような名前がほとんどない」と語る。そんな中で蓮舫氏が起爆剤になることを期待しての擁立であることは間違いない。

さらに、擁立の背景には党内の力学もあるようだ。須田氏によれば「幹事長代行の手塚仁雄氏がかなり強く蓮舫氏を推した」とのこと。過去には衆院選東京3区で蓮舫氏を立てる構想もあったが、地元の松原仁氏との対立を避けて断念した経緯があるという。

野田代表も、蓮舫氏と近い関係にあり、復帰を強く望んでいたとされる。だが、須田氏は「昨年の都知事選のイメージが尾を引いている以上、吉と出るか凶と出るか、まさに賭け」と語る。

「ネット空間ではすでに、蓮舫氏に対する批判が再燃している。共産党との距離感を曖昧にしたままでは、有権者の離反もあり得る。擁立によって票を増やすどころか、むしろ減らす可能性もある。それでも蓮舫氏を起用せざるを得なかった──それが今の立憲民主党の苦しさを象徴している」

それでも選挙は始まる。「こういう“やらかしてくれる”人が出てくると、選挙は俄然面白くなる」と須田氏は語気を強める。「今後もこのチャンネルで蓮舫氏の選挙戦をウォッチしていきたい」とし、動向を注視する姿勢を示した。

果たして蓮舫氏の復帰は、立憲民主党にとって追い風となるのか──
それともまた、新たな苦境の幕開けとなるのか。注目せざるを得ない。

[引用元]蓮舫氏、全国比例での復帰は吉か凶か?(https://www.youtube.com/watch?v=35iqK_WJgHo)

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