れいわ新選組・山本太郎が語る、参院選結果と経済政策の真実

「無風」の中での戦いと今後の戦略 最新ニュース
「無風」の中での戦いと今後の戦略

2025年7月23日、れいわ新選組の山本太郎代表が参議院選挙の結果を受けて記者会見に臨んだ。山本氏は、逆風の中で議席を「増やすことができた」と評価し、着実な前進を強調した。会見では、れいわ新選組が掲げる経済政策の3本柱や、財源論に関する「経済学の常識」について熱弁を振るった。

「無風」の中での戦いと今後の戦略

先の参議院選挙で、れいわ新選組は「逆風」の中で議席を減らすことなく「増やすことができた」と、れいわ新選組代表の山本太郎氏は会見で語った。改選前の2議席から3議席への増加は、多くのボランティアと有権者の協力の結果だと述べた。前回の参議院選挙(2022年)と比較して得票率が4.40%から6.60%に向上し、得票数も約231万票から約388万票へと増加したことを強調し、「着実に3年前より前に進んでいる」と手応えを語る。

山本代表は、過去に「風が吹いた」と評されることがあったが、これを「簡単なブームにして終わらそうとしている」と指摘し、実際には常に「無風」の中で活動してきたと述べた。今回の選挙も同様に「無風」であり、さらに「外国人問題」のような「論点ずらし」が広範に行われたと批判した。この点において、多くのマスコミにも責任があると主張する。

今後の戦略については、引き続き「じりじりと広がっていく」「しつこくしつこくやっていく」ことが重要であるとの認識を示す。「風が吹かない」状況での拡大を目指すため、アプローチの仕方も様々に考えていく必要があると述べた。

経済政策の3本柱と消費税の真実

れいわ新選組が訴える政策は「ずっと変わっていません」と山本代表は述べ、以下の3本柱を強調した。

消費税さっさと廃止」 「今すぐつなぎの現金給付」 「税は大金持ちから取れ

消費税については、社会保障の財源と言われながら、実際には消費税が上がるたびに「法人税は下げられてきた」と指摘する。「社会保障のために必要だなんて適当なこと言ってる」と批判し、30年で法人税収が305兆円減少し、消費税収が499兆円増加したグラフを示しながら、「消費税のうち約61%が法人税引き下げの原資に回ってきた」と説明した。

消費税廃止が経済回復に不可欠であるとし、廃止されれば中小零細企業の元気が戻り、一人あたりの賃金が7年後に35.7万円増えるという参議院調査室のシミュレーション結果を提示した。

現在の国民の6割が生活苦であり、1万件以上の中小企業が倒産している(過去最高を記録した業種が28業種)状況を挙げ、賃上げも無理やり行われている実態を指摘する。政府や野党第一党の経済政策(例:2万円給付、食料品のみの減税)は「寝ぼけたことばかり」と批判し、「国民が死にそうになってるんだから」速攻で対策を打つべきだと主張した。

「国の借金」はデタラメ?経済学の常識を問う

財源論についても、山本代表は独自の視点から強く批判を展開した。「財源がなければそんなものはできないみたいな出鱈目なこと」が横行していると批判し、「国債発行は財源の一つ」であると強調した。コロナ禍で113兆円が支出された例を挙げ、「どうしてそれだけのお金が出せたの?国債発行に決まってるやん」と述べた。

「国の借金」とは、政府が通貨を社会に供給している行為であり、「政府の赤字は誰かの黒字」であることを明確にした。政府債務が増えるほど家計の金融資産も増えるというグラフを示し、「政府債務をこれ以上増やすな」という主張は「景気悪なるに決まってるやん」と反論した。

景気が悪い時には減税と国債発行(公共投資の増大)が必要であり、景気が過熱した時には増税(富裕層からの徴収、法人税の累進課税化)と公共投資の減少が必要であると、高校の教科書に載っているような経済政策の「常識」を強調した。「この常識を知らないのはマスコミと国会と財務省」と強く批判した。

他党への評価と連携、そして憲法改正への懸念

日本維新の会が票を減らしたことについては、「維新の自爆」であると分析した。「社会保険料を安くします」といった「詐欺的なこと」や、病床の大幅削減といった政策の裏に潜む「トラップ」に有権者が気づいた可能性があると指摘した。

参政党が選挙中に消費税廃止を訴え、財源を国債発行と述べたことについては、「消費税廃止が重要です。そして国債発行でやるべきです」と述べ、「その言葉に間違いはないです。100%正しい」と評価した。しかし、参政党が「言うことコロコロ変わるグループ」であるため、今後の対応については「何とも言えない」とコメントした。

ラサール石井氏がれいわ新選組への共感を示し、社民党から出馬したことについて感謝を表明した一方で、社民党が立憲民主党と一体化している現状を挙げ、政党としての考え方が異なる場合、個別の議員が自由に賛否を表明することは難しいため、「なかなか連携の仕方というのは難しい部分もあるかもしれません」と述べた。

改憲勢力の拡大についても懸念を示した。躍進したグループが憲法改正に意欲的であり、「議員任期の延長」や緊急事態条項にも「非常に寛容」であると指摘する。東アジア情勢の緊迫化の中で、「よりこの国をきな臭くする」方向へ向かっていると危機感を表明し、これは「軍事ビジネスの拡大」につながり、「この国の割けるリソースの多くをそういったものに流すことに躊躇がない者たちが拡大した恐れが高い」と強い懸念を示した。

マスコミへの要望と国民運動の呼びかけ

山本代表は、選挙報道や経済に関する議論において、マスコミが常識を伝えていない、あるいは「財政破綻ごっこをやめない限りは国民死にますよ」と批判し、現状を「緊急事態」と認識するよう求めた。

選挙後も引き続き「とにかく金を出せ」という国民運動を広げていきたいと表明し、ボランティアへの感謝を述べつつ、引き続き全国を回って国民の意見を聞く意向を示す。

山本代表は、今回の選挙結果を「逆風の中での着実な前進」と評価しつつも、現状の議席数では「キャスティングボートを握る」には至っていないことを認めた。最も強調されたのは、30年続く日本のデフレ経済を克服するための経済政策であり、消費税の即時廃止、現金給付、富裕層への課税強化というれいわ新選組の政策の必要性を改めて訴えた。特に、国債発行が財源となるという「経済学の常識」が、政治家やマスコミに理解されていない現状を強く批判した。また、他党の経済政策や憲法改正への動き、東アジア情勢の緊迫化に対する懸念も表明した。今後は「無風」の中で「しつこくしつこく」国民運動を広げ、政府・国会に経済政策の転換を迫っていく姿勢を明確にしたようだ。

れいわ新選組・山本太郎が語る、参院選結果と経済政策の真実

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