公明党政務調査会長の岡本三成氏が、自身の経済政策、特に「現金給付」と「消費税減税」に対する考え方を詳しく解説した。岡本氏は、公明党が現在、「死ぬほど叩かれて」いる現金給付について、「選挙にマイナスであっても、今物価高対策として国民の皆さんを応援させていただくために必要な政策」だと強調する。さらに、消費税減税については、短期的な「ポピュリズム」ではなく、恒久的な財源を確保した上で「ずっとやっていきたい」と、公明党の政策の意図と将来的な展望を明らかにした。
「バラマキ」批判の真相──選挙対策ではない現金給付の必要性
岡本氏は、国民が「物価高対策」に大きな期待を寄せていることに触れ、公明党としては「給付も大切だし減税も大切だ」と考えており、両方に取り組んでいきたいと述べた。
公明党が提案する具体的な給付策として、18歳以下の子どもには「4万円」、所得の低い住民税非課税の大人には「4万円」、それ以外の大人には「2万円」の現金給付を考えていることを明らかにした。例えば、両親と子ども2人の一般的な家庭であれば「12万円」の給付となると説明する。
しかし、この現金給付については「死ぬほど叩かれてるんですよ今」と、厳しい批判に晒されていることを岡本氏自身が認める。特に「選挙対策として票買ってんだろう」という批判に対し、公明党内部では「給付なんかやっちゃったら選挙負けちゃうぞ」という議論すらあったことを明かした。それでもなお、「選挙にマイナスであっても今物価高対策として国民の皆さんを応援させていただくために必要な政策だからやっていこうって決めたのが給付」なのだと強調した。
「選挙前ばっかり給付してる」という批判に対しても、選挙がない年でも必要な年には給付を行っており、「今年はたまたま選挙があるから余計やりにくいわけ」だと反論する。そして、「これをやらなければ物価高対策で国民の皆さんのご苦労って軽くならないじゃないですか」という議論の結果であり、「選挙にマイナスになる可能性は高いこと分かっていてもやってるのが今回の給付」であると力説した。岡本氏は、「給付が選挙にプラスなんて思ったことは1回もありません」と断言し、メディアの誤解を解きたいとの思いをにじませた。この現金給付は「年末ぐらいにはしっかり実現したい」と述べ、予算をつけてプッシュ型で迅速に実行する意向を示した。
消費税減税は「高級化」を目指す──短期的なポピュリズムではない
現金給付と並んで議論される消費税減税について、岡本氏は「消費税減税は今後ちゃんと議論していきます」と述べた。しかし、物価高対策としては「スピード感ってすごい大事」であるため、消費税減税は「議論して法律を変えて事業者の方に準備をしていただいてってこと考えると1年以上かかる」と、現金給付よりも時間がかかる点を指摘する。
また、岡本氏は、「短い期間だけの物価高対策で消費税減税、例えば1、2年だけ低くしてまた戻すというのはだったら給付の方がずっといい」という考えを持っている。なぜなら、消費税を「下げる時も上げる時も事業者の皆さんものすごい手間がかかる」ため、「たった1、2年のためにやるのか」という問題意識があるからだと説明した。
その上で、公明党は消費税減税の中でも特に「軽減税率」の引き下げを重視していると強調した。公明党が導入に尽力した軽減税率の税率(8%)は、主要国の中では「1番高い」ため、「もっと下げていきたい」という意向だ。ただし、これを「1年とか2年とかじゃなくてもう福祉政策としてずっと下げていきたい」と述べ、短期的な政策ではなく、恒久的な制度として位置づけたいと語った。そのためには「恒久的な財源も必要」であり、「野党の人も含めて真剣に話してその財源も明確にして8%は下げてそれも恒久化していきたい」と、時間をかけてでも着実に実現する姿勢を示した。
新たな財源創出──政府版資産運用で「増税なき税収増」へ
財源確保についても、岡本氏は公明党独自の提案があることを明らかにした。「僕らは財源を作り出そうと思ってる」とし、新たな財源創出を今回の公約に盛り込んでいると述べた。
その方法は、「国が持っている資産」をファンドとして活用し、「様々なところに投資をしてそこで上がってくるリターンを財源として政策に使っていきたい」というものだ。これは「個人の資産運用」の「政府版」であり、国民のために資産を運用し、「そこから上がってきた利益で政策の財源にしていこう」という構想である。
現在、日本にはそのような政府資産運用は「ありません」が、「年金運用機構(GPIF)」が年金受給者のために運用を行い、「めちゃくちゃ儲かってました」と具体的な実績を挙げた。過去10年の平均利回りは「6%を大きく超える」実績があり、この5年間だけで「増えた金額だけで100兆円以上」にもなると説明。これは「ノウハウもめっちゃ溜まってる」ことの証だと語った。岡本氏の元同僚にはGPIFの運用責任者がおり、「世界中のトップクラスの人」であるため、実現可能性が高いことを示唆した。
他国でもシンガポールやアメリカなど、「長年やって成功してる国っていっぱいある」と事例を挙げた。特にシンガポールでは、国営ファンドの利益の「半分は国の財政一般財源」になることが法律で定められており、「国の財源のためにファンドがめちゃくちゃ頑張ってる」状況だと紹介した。アメリカもトランプ大統領が今年2月に国営ファンドの創設にサインし、「今準備中」であると述べ、日本も「ついていくどころかも先に」進むべきだと主張する。岡本氏は、この政府版資産運用で「毎年5兆円ぐらい作れたらいい」というイメージを持っており、これにより「増税なき税収増」を実現したいと語った。
若者支援「奨学金減税」の実現へ
岡本氏は、公明党が特に若者支援として「奨学金減税」の実現を目指していることも明らかにした。これまでも、奨学金の無利子化や給付型奨学金の拡充は行われてきたが、現在「返してる人たくさんいらっしゃる」状況だという。
公明党が提案する奨学金減税は、「毎月毎月返済している奨学金の一定の金額または一定の割合を年末調整で返してもらう」という仕組みだ。これにより、「借金をしてでも学ぼうとして努力してきた人で今返済してる人を減税という形で応援したい」と、その狙いを説明した。具体的な仕組みは今後詰めていくが、「奨学金減税はこれ是非実現したい」と、強い意欲を示した。
岡本氏は、公明党の政策は「やると言ったらやりきる」という「愚直さ」が持ち味だと述べ、実現への自信を示した。
はたして、公明党の掲げる政策は、国民の期待に応え、日本の経済を活性化させることができるだろうか――。
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