及川幸久氏が警鐘!トランプ関税交渉で日本は「ほぼ失敗」、石破政権は「見限られた」のか?

日本は関税交渉ほぼ失敗, トランプは石破政権を見限った【及川幸久】 国際政治
日本は関税交渉ほぼ失敗, トランプは石破政権を見限った【及川幸久】

ジャーナリストの及川幸久氏は、トランプ政権が日本に課した24%の関税を巡る交渉が「ほぼ失敗」に終わったと指摘する。3ヶ月にわたる交渉とG7での日米首脳会談にもかかわらず、日本とアメリカの間では何の合意もできていない現状を憂慮し、トランプ大統領が日本を「名指しで威嚇」していると述べた。及川氏は、この交渉失敗の背景には石破政権の「外交能力」への疑問と、アメリカ国債売却を「交渉のカード」とした日本の軽率な言動があると分析している。

トランプ関税交渉、日本は「大幅遅れ」

2025年4月2日にトランプ大統領が発表した「トランプ関税」は、日本に対して24%という高率の関税を課すものであった。それから3ヶ月間、日本は特に自動車産業への影響を懸念し、この関税を回避すべく交渉を続けてきた。しかし、ジャーナリストの及川幸久氏は、「どうもこの交渉うまくいっていない」と深刻な状況であると警鐘を鳴らす。

及川氏によれば、ベトナムなど他の国々が「ある一定のレベルで打結してきてる」中で、日本とEUだけが「大幅に遅れている」という。G7での日米首脳会談が行われたにもかかわらず、「日本とアメリカの交渉は何も合意できていないわけです」と、交渉の停滞ぶりを強調した。

トランプ大統領からの「名指し威嚇」

交渉の進展が見られない日本に対し、トランプ大統領は「このところ3日連続して名指しで威嚇しています」と及川氏は語る。フォックスニュースのインタビューでは、日本との交渉は「もう合意できそうもない」ため、「最後通牒にあたるような、これで交渉終わりにします、そういうお手紙を出します」と発言したという。

さらにトランプ大統領は、自身のトゥルースソーシャルで「これまで日本がいかにそれ、これまでのアメリカの政権によって甘やかされてきたか」を指摘し、エアフォースワンの中でも記者団に対し、日本への皮肉を交えた批判を繰り返した。及川氏は、トランプ大統領が「私は日本に手紙を書いてこう伝えようと思う。私たちは日本の皆さんに大変感謝しています。しかし私たちが求める条件には合意されないことがよく分かりました。そのため私たちが決める30%から35%の関税を払ってもらうことになります」と語ったことを紹介し、事態の深刻さを訴えている。

自動車関税の受容と日本企業の危機感

イギリスのフィナンシャル・タイムズ(FT)も7月2日付の記事で、「トランプ大統領が日本に対する関税引き上げを再び威嚇、7月9日の期限までに貿易協定締結は困難」との見方を報じている。FTの独自取材によると、「交渉に詳しい人物によると、日本は自動車関税の引き下げは無理ということを受け入れている」という。

及川氏は、自動車関税の引き下げは日本の交渉団の主要な戦略であったはずだとしながらも、すでに「それは無理だというのを日本側はもう分かってる」状況だと指摘する。日本側は現在、「これ以上関税を引き上げられないことをアメリカ側に保証してほしい」と求めている段階だという。

この背景には、日本企業、特に自動車メーカーの切迫した状況がある。例えばマツダは、好調なアメリカでの販売が今回の関税によって大きく影響を受けることを懸念し、「今期はどうなるのか計画が全く立てられない」と述べていたという。日本企業は「早くその数字を知りたい」と考えており、交渉の早期決着が望まれている。

アメリカ国債売却カードと日本の「外交能力」への疑問

及川氏は、交渉が難航している背景に、日本政府の軽率な発言があったと指摘する。アメリカの経済学者ピーター・セントオンジェ氏がXで、「日本はアメリカ国債を売り飛ばして銀行システムを崩壊させることでアメリカとの経済戦争を脅かしている。日本は火遊びをしている」と投稿したことを紹介した。

これは、5月の時点で当時の加藤財務大臣がテレビ局のインタビューで、「関税交渉のカードとしてはあり得るが、切るか切らないかは別の判断だ」と、日本が保有する大量のアメリカ国債の売却を交渉カードとして示唆した発言を指している。及川氏は、この発言は「アメリカ政府を過度に刺激する。これはかなり危険だ」と、アメリカ側で認識されたと解説する。

日本は外国勢で最大のアメリカ国債保有国であり、その保有高は1兆1259億ドルに上る。この日本の発言は、リーマンショック並みの金融危機を引き起こす可能性さえあるとアメリカ側では見られたという。及川氏は、「関税をかけるならアメリカ国債を売るというこの発言の軽さがアメリカで怒りを買ってるってことを日本は知らない」と、日本政府の認識不足を批判した。

この3ヶ月間の交渉停滞と日本の軽率な言動を受け、及川氏は「石破政権には外交能力があるのか?」と疑問を投げかける。「トランプ政権っていうのはどうせ今だけだろうと。ここあと3年半だろうと。次のアメリカの政権まで待てばいいんじゃないか?っていうそんな考え方が日本の政府、それからEUの幹部、こういうグローバリストたちにあるんではなか?という風に見られています」と、石破政権がトランプ大統領との交渉を避け、次の政権交代を待とうとしている可能性を示唆した。

その結果、「最初24%って言われていたトランプ関税がどうもこのままでいくと35%になるらしい。この結果で果たしていいのか」と、及川氏は石破政権の外交姿勢に強い懸念を示した。そして、「トランプ政権は。どうも石破さんを見切ったのではないか?」」と結論づけ、「となるとこのまま石破政権に外交をやらししてていいのか」と、石破政権の外交継続の是非に疑問を呈した。

ジャーナリストの及川幸久氏の分析は、トランプ政権との関税交渉において、日本が極めて厳しい状況に置かれていることを示している。日本政府、特に石破政権の外交戦略や言動が、交渉の失敗とトランプ大統領からの「見限られ」を招いた可能性が指摘されている。このまま高率関税が適用されれば、日本経済、特に自動車産業への打撃は避けられないだろう。はたして、石破政権はこの外交の危機を乗り越えることができるのだろうか――。

日本は関税交渉ほぼ失敗, トランプは石破政権を見限った【及川幸久】

コメント

  1. のぶくん より:

    石破は無能すぎる