社会学者・西田亮介が警鐘!「屋台骨を壊した」自民党の混迷と国民が「期待するな」と考えるべき理由

国内政治

社会学者の西田亮介氏が、自民党の「裏金」問題に端を発する深刻な不信感と、前例のない混迷期を読み解く。裏金問題が「屋台骨を壊した」と語り、自民党の自浄作用の欠如を厳しく批判。今後の展望として、国民は政治に「期待するな」というメッセージを投げかける。

「裏金」問題が招いた国民の嫌悪感と不信感

自民党の「裏金」問題は、国民からの深刻な不信感を招いている。裏金問題は自民党の「屋台骨を壊した」と認識されており、特に金額が大きかった下村氏のような議員は、選挙で厳しい結果を突きつけられている。

国民は「自民党嫌いなんだよね」という声を多数上げており、「党全体が憲(嫌悪感)を持たれてるのではないか」と西田氏は指摘する。政治と金の問題は「払拭しがい問題」として、国民の記憶に強く残っている。

政治資金規正法の改正についても、自民党は積極的な姿勢を見せていない。連立を組む公明党や野党の突き上げがあって初めて、ようやく踏み切った経緯がある。これは、1990年代に解決を約束した問題が30年経っても改善されていないことに対する、国民の怒りの表れだ。

また、裏金疑惑のある下村氏が東京11区の支部長に選任されたことについても、自民党内から「このような処分を受けた議員を公認していくのであれば、政治と金の問題に対する反省が浅いと国民が受け取ったとしても不思議ではない」という批判が上がっている。

欠如した自浄作用と求心力の低下

自民党は「挙党体制」と結束を促すものの、党としての明確な意思表示や自浄作用が欠如していると西田氏は指摘する。下村氏のような処分を受けた議員を公認するようでは、「自民党は生れ変わったとは言えない」と断言する。

昨年の衆議院選挙での敗北後、参議院選挙前に総裁選を行わなかったことが敗因の一つだと西田氏は分析する。負けた総裁がそのまま参議院選挙に臨んだ結果、国民の声に対応できない状況を招いた。

減税や手取り増といった国民が期待する政策についても、自民党は「真正面からきちんと答えていませんでした」と西田氏は指摘する。緊縮型の人物が総裁を務め、選挙に敗北してもそのままであるため、国民の声との乖離が深まっている。

自民党には政策通の議員が多いことは認められている。しかし、「政策に詳しければ国民から信頼されるというほどのものでもないだろう」と、国民の信頼を得るには別の問題があることを示唆している。

過去に類を見ない混迷と「期待するな」という提言

自民党は現在、衆議院・参議院ともに過半数を割る「過去に類を見ない」少数与党という状態に陥っている。これは小選挙区比例代表並立制導入後、一度も起きたことがない極めて珍しい国会の状況だ。

これまでの「ねじれ国会」以上に、「ねじれでさえない」極めて不安定な状況が続くと予想されている。

西田氏は、有権者に対し「期待するな」というメッセージを送る。これは、自民党・公明党の支持者だけでなく、野党支持者も含め、現在の不安定な局面で特定の政党に過度な期待を寄せるべきではないという意図が込められている。

過去の郵政民営化を例に挙げ、「政治に対して期待が集まって、その勢いで何かを決めてしまった結果というのをですね、中長期で振り返ってみるとあんまりいいことないかもしれませんね」と、政治への過剰な期待が必ずしも良い結果に繋がらないことを示唆する。

はたして、自民党はこの混迷を乗り越え、国民の信頼を取り戻すことができるだろうか――。

社会学者・西田亮介が警鐘!「屋台骨を壊した」自民党の混迷と国民が「期待するな」と考えるべき理由

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