元衆議院議員の長尾たかし氏が、デイリーウィル・山根氏との対談で、参院選における自民党の立ち位置や、勢いを増す参政党への見解を語る。長尾氏は、自民党内の保守派として「自民党が嫌いな人は長尾たかしと書いてください」と述べ、自身の役割を強調する。
「自民党が嫌いな人は長尾たかしと書いてください」──保守派としての矜持
元衆議院議員の長尾たかし氏は、参院選の真っ只中での対談に応じ、「自民党が嫌いな人は長尾たかしと書いてください」と自身の立ち位置を明確にした。自民党が「リベラル化した」と指摘し、その中で保守派として党を立て直す必要性を訴える。
長尾氏は、最近の選挙で支持を伸ばしている参政党について言及した。参政党の神谷氏とは「市議の頃からよく知っていて」、「神谷さんの結婚式の品は実は僕」だと明かし、深い縁があることを示した。
参政党が支持を拡大している背景について、長尾氏はいくつかの要因を挙げている。まず、「活動してる方々が、楽しそうにやってる」ことが大きいと分析し、全国各地で「オレンジのTシャツ着た方が、政治活動されてらっしゃいます」と、その草の根的な活動を評価した。さらに、地方議員の数が「150人ぐらいいるんじゃないですか」と大幅に増えていることに注目。これはかつて「大阪維新の会が根を張る」土台作りに似ていると述べ、参政党の「足腰がしっかりしてる」ことを強調した。今回の参院選で「55人」もの候補者を擁立したことについても、「これはすごいと思いますよ」と評価し、自民党の75人、立憲民主党の51人と比較しても、その規模の大きさを強調した。多数の候補者が出馬することで、「相乗効果でプラスの波及効果がある」ため、参政党が「今後、期待を持てるという風に世論が見るのは自然な流れだな」と見解を述べた。
「敵は野田」──積極財政派としての共闘の可能性
長尾氏は、積極財政を訴える政党や議員との連携の可能性についても触れた。参政党や国民民主党の玉木氏などが「積極財政」や「消費減税」を掲げていることに対し、自民党内にも「積極財政派」が存在すると指摘する。
「連立は組むっていうのはないと思いますけれども、政策レベルで協力できる」と、政党の枠を超えた政策レベルでの協力に前向きな姿勢を示した。長尾氏は、連立を組まずとも「パイプさえあれば別に連立組まなくても、政府の案に賛成するよというような寝回は十分できる」と語った。
自民党内の勢力図については、「野田&石破V.S.積極財政派」という構図があると述べ、「敵は野田なんですよ」と強い言葉で批判した。野田氏や石破氏の背景には「財務省」がいるとし、「我々にとっての本当の敵は誰なのかっていう本質を見極めた上で、政策立案をすれば間違った結果は出てこないだろうな」と、政策重視の姿勢を強調した。そして、「政党じゃなくって、積極財政派とか減税派とかそっちで選びましょう」と、有権者に対し、個人の主張や資質で判断するよう訴えた。
元衆議院議員の長尾たかし氏が語る参院選は、自民党内の保守派としての彼の覚悟と、政策を軸にした政党横断的な連携への期待を映し出す。勢いを増す参政党の戦略を分析し、既存政党の課題を指摘する長尾氏の言葉は、混迷する日本の政治状況において、有権者に新たな視点を提供するものだろう。彼の提言する「積極財政派」や「減税派」という視点での選挙が、今後の日本の政治にどのような影響を与えるのだろうか。
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