無所属連合代表・内海聡が語る参院選戦略──「私たちは奴隷じゃない」と訴える壮大な政治実験

無所属連合代表・内海聡が語る参院選戦略──「私たちは奴隷じゃない」と訴える壮大な政治実験 最新ニュース
無所属連合代表・内海聡が語る参院選戦略──「私たちは奴隷じゃない」と訴える壮大な政治実験

無所属連合代表の内海聡氏が、選挙ドットコム編集部の中山智氏との対談で、参院選に向けた「無所属連合」の戦略とその理念を語る。既存政党の「嘘ばかり」な姿勢に疑問を抱く有権者の受け皿として、内海氏は「国民のために最もやらなきゃいけないこと」を純粋に追求する「壮大な実験」だと説明する。憲法改正問題や医療問題、食料自給率など、多岐にわたる課題に対し、「私たちは奴隷じゃない」という強いメッセージを掲げ、国民一人ひとりの「自主独立」を促す選挙戦に挑む。

「新しい形態であり、広大な実験」──無所属連合の挑戦

無所属連合代表の内海聡氏は、自身が代表を務める「無所属連合」が今回の参議院選挙に挑戦する意義について語った。これまで地方選挙を中心に活動してきた経験から、無所属や諸派の候補者が直面する「高い壁があるな」という現実を痛感してきたという。しかし、参議院選挙には比例区があるため、既存政党に失望している人々にとって、無所属の候補者が集まることで「比例のシステムも戦うということができる」と説明した。

無所属連合は、スポンサーの意向に左右されず、候補者自身の専門知識を最大限に生かし、「国のために最もやらなきゃいけないこと」を追求する目的で結成されたという。内海氏は、無所属連合が「私一応代表を拝命してますけれども、みんな私の言うことあんま聞く必要ない」という、従来の政党とは異なる「新しい形態であり、広大な実験」だと強調した。

候補者たちはそれぞれが「緩い形の連合」であり、選挙区や比例区への立候補も「みんな自分の意思で」決めている。供託金も各自で負担するなど、「非常にシンプルなシステム」で運営されているという。内海氏は、無所属連合の最大の特徴は、「右派的思想っていう風なのに縛られてるわけでもない、左的な思想にいるというわけでもない」点にあると述べた。「みんなそれぞれの思想を持ってても良い。党のことにも従う必要もない」と、個々の候補者の独立性を尊重する姿勢を示した。

3つの理念が示す無所属連合の目指す社会

内海氏は、訴えは異なっても候補者が集まる背景には、共通の「理念」への同意があると説明した。無所属連合には以下の3つの理念がある。

  1. 日本及び個人の自主独立 内海氏は、日本が「属国と言われて久しく」、個人も「社畜でもいいし、学校の言いなりみたいにされている子供たちもいっぱい」いる現状を指摘し、この理念が「個人が自立していかないと」という考えに基づくと述べた。
  2. 自由を侵害するあらゆる強制の排除 政府による「弾圧的と言いますか、抑圧的と言いますか、そういう社会情勢」に対し、「ちょっとおかしいだろうやりすぎだろう」という問題意識から、この理念が掲げられているという。これは国民の「権利問題」であると内海氏は語る。
  3. 自然の摂理に基づく本質的な社会の構築 メガソーラーや原発問題などを例に挙げ、内海氏は「あまりに機械工学的に」、「目先だけの科学」に偏りがちな現状に警鐘を鳴らす。人間も動物の一員として「本質を忘れてしまっている」とし、「生物としてあるべき姿を目指していく」ことを目標にしていると説明した。

これらの理念は、共同代表の大西氏が素案を作成し、初期メンバーと事務局スタッフで議論を重ねた結果、ほとんど修正なく決定されたという。内海氏は、「とにかくトップダウンじゃない」運営体制が、他の政党との大きな違いだと強調した。

「壮大な政治的な実験」──新しい政治の形を模索

内海氏は、無所属連合の運営が「非常に緩く」、「それぞれの選挙戦っていうのも、それぞれの陣営がいて」進められていると説明した。一般的な政党のようなトップダウンではなく、「それぞれがそれぞれで頑張っていい。悪い結果もそれぞれで受け止めていこう」という姿勢であるという。

内海氏は、「他の政党もみんなトップダウンだったりスポンサーの顔色伺ってるだけだったり独裁システムだったりそんな政党ばっかり」だと既存政党を批判し、「結局自民党が落ちて無くなったとしてもまた同じこと繰り返されるだけなんじゃないですかね」と現状への危機感を表明した。そのため、「本当にこれは新しい形態であり、壮大な実験」なのだという。

将来的に組織が大きくなった場合でも、「初心」である「ガバナンスを効かせるとか」いう発想はないと断言する。これは、内海氏自身が地方政治で経験してきた無所属議員の活動や、イタリアの「五つ星運動」をモデルにしているためだという。「少数派の権利を守る」という考えが根底にある。

国民に問いかける「私たちは奴隷じゃない」──真の独立を目指す戦い

今回の参院選で国民に何を問うのかという問いに対し、内海氏は個人のスローガンとして「私たちは奴隷じゃない」という「きつい言葉」を掲げていることを明かした。「有権者のたちに喧嘩売ってますよね」と自嘲しつつも、「やってることは奴隷制と何も変わらない。もっとひどいんじゃないか」と、現状の日本社会に対する強い危機感を表明する。

国民が「ずっと諦めムード」で、投票率も上がらない状況に対し、「もう怒った方がいいよと」と強く訴えかける。内海氏は、物価上昇、増税、大企業や外資への資金流入といった問題が続く中で、国民が「追い詰められてる」状況にあると認識している。今回の選挙は、103万円の壁のような「枝葉の話」ではなく、「政治には何もメスは入ってない」根本的な問題が問われる選挙だと語った。

具体的な政策については、共同代表の大西氏が「消費税もちろん廃止一択」と主張し、「究極的には税金も全部なくすこともできる」という、既存の経済学者とは異なる見解を持つことを紹介した。また、無農薬農業を訴える高橋氏や動物愛護を訴える藤村氏のように、既存の多数派からは受け入れられにくい「少数派的な意見」こそが「本質をついてることもあるんじゃない」と、多様な価値観の重要性を強調した。

最後に、内海氏は「憲法改正の問題」に触れ、自衛隊そのものには反対しないものの、自民党の改憲案が「国が上、国民は下」という「危険だなっていう風に思ってる」内容であることを指摘し、有権者に対し「改憲草案の中身とか改憲派の主張をチェックしていただけたら」と呼びかけた。

無所属連合代表の内海聡氏が語る参院選への挑戦は、既存政治への不満を抱える国民に向けた「壮大な実験」だ。トップダウンではない緩やかな連合体として、各候補者がそれぞれの専門性と理念に基づき、国民の「自主独立」を訴える。しかし、「私たちは奴隷じゃない」という強烈なメッセージは、果たして諦めムードに包まれた国民の心に響くのだろうか。そして、既存政党の枠を超えた「新しい形態」の政治は、日本の未来をどのように変えていくのだろうか。

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