参議院議員・松川るいが語る「27年ぶりの敗北」──自民党大阪府連、参院選での敗因と改革への道

国内政治

参議院議員の松川るい氏が、参院選で自民党大阪府連が議席を失った歴史的敗北について総括した。27年ぶりとなる「自民党候補が大阪選挙区で議席を得られない」という歴史的な事態が起きた。松川るい氏が応援していた柳本顕候補は4議席を争う中で5位に沈み、当選に至らなかった。また、大阪における自民党の比例代表票は、過去3回の選挙で70万票台を維持していたにもかかわらず、「今回の選挙では48万票にまで大きく減少」した。この厳しい結果を受け、青山繁晴大阪府連会長は辞任を表明した。松川氏は「非常に深刻な事態」と現状を捉えている。

敗因は「オールドスタイル」の選挙戦

敗因としてまず挙げられるのが、国民生活に直接響く政策やキャッチフレーズの欠如だ。自民党のスローガン「日本を動かす 暮らしを豊かに」は美しいフレーズだが、参政党の「日本人ファースト」や日本維新の会の「社会保険料高すぎやろ」といった、「国民生活に直接刺さる分かりやすい」言葉に比べて訴求力が弱かった。

また、選挙戦略においても、「自民党が立てた旗ではなく、他の党が掲げた旗を追いかける形」となり、受動的な選挙戦を強いられたことも敗因だと分析する。

そして、SNS活用の遅れも深刻な問題であった。参政党や国民民主党が「『切り取り』を前提としたエッジの効いた言葉やフレーズ」で演説を行い、支持者による拡散を促す「エコチェンバーシステム」を活用しているのに対し、自民党は「オールドスタイル」から抜け出せていない。

若年層からの支持不足と組織力の低下

今回の選挙では、「10代から40代の有権者が圧倒的に自民党を選んでいない」ことが明らかになった。この層は国民民主党や参政党に流れたと松川氏は分析する。

また、選挙期間中だけでなく、「普段からの地道な活動が不足」していたことも敗因だと反省を述べている。「選挙の時だけ頑張っている」と見られがちで、衆議院選挙での2回の小選挙区全敗という経験も踏まえ、組織力の低下が深刻な課題である。

今後の改革への道

松川氏は、この歴史的敗北を乗り越えるために、自民党大阪府連の抜本的な改革が必要だと訴える。

まずは、基本に立ち返り、「国民の声に耳を傾け、そのために地道な活動を続ける」という姿勢を徹底する。

そして、SNS戦略の抜本的な改革も不可欠だ。「『切り取られること』を前提とした発信」を意識し、短尺動画などで拡散されやすいフレーズや演説スタイルを取り入れる必要がある。視聴者が自ら拡散したくなるようなコンテンツ作りが求められる。

また、若年層に対して、「希望が持てる」と感じさせるような政策を打ち出し、訴求していくことが今後の重要課題だ。

最後に、他党の争点に対応するのではなく、「自らが政策的な旗を立て、主体的に攻める選挙戦を展開する」ことが、今後の自民党に必要なことだと結論付けている。

この歴史的な敗北を、自民党は真摯に受け止め、抜本的な改革へと踏み切ることができるだろうか――

参議院議員・松川るいが語る「27年ぶりの敗北」──自民党大阪府連、参院選での敗因と改革への道

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