国際政治学者・舛添要一が予測する参院選の行方:自公大敗、参政党躍進、そして政界再編の可能性

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国際政治学者・舛添要一が予測する参院選の行方:自公大敗、参政党躍進、そして政界再編の可能性

国際政治学者の舛添要一氏が、参議院選挙の展望について詳細に分析した。都議選での自公大敗を受け、参院選でも与党は苦戦し、「私の情勢分析だと50行かないと思います」と予測。物価高やトランプ関税、安全保障が主要な争点となる中、参政党が伸長する一方、石丸新党は「芽がない」と見立てた。最終的には野党が過半数を取るものの、その「バラバラ」さから政権交代には至らず、自公に維新や国民民主党が加わる「連立が広まる形」の新政権が誕生する可能性を示唆した。

都議選の敗北が示す参院選の「非常に苦しい戦い」

舛添氏は、今回の参議院選挙が125議席を争う中で、自民党・公明党が全体で過半数を維持するには50議席の獲得が必要だと説明した。昨年段階では「75持ってんだから相当負けたって簡単だろう」という楽観的な見通しがあったものの、先月の都議会選挙で自公が「大まけに負けちゃった」ことで状況は一変したという。特に「連立のパートナーの公明党まで、いつも全部勝ってたのがそういかなかった、3議席も失ってる」現状を挙げ、「50いかないのではないかなという観測が急に広がった」と指摘した。

舛添氏は、都議選の敗因として「1人区」の重要性を強調する。都議選で世田谷や大田区のような複数人が当選する選挙区では、大きな政党であれば「なんとか滑り込める」が、1人しか当選しない1人区では「落ちるか受かるかしかない」と述べた。都議選では「ほぼ自民全滅しちゃった」ことから、「同じことが起こったら大変だ」と警鐘を鳴らす。参議院の1人区は全国に32あり、過去のデータを見ると、自民党が大敗した2007年の参院選では1人区で「6しか取ってなくて非自民23、大敗してる」と述べ、この選挙が2年後の政権交代につながったことを例に挙げた。

現状の予測では、32ある1人区のうち「10か11しか自民党は取れません」。非自民が「20ぐらい取っちゃう」と予測し、「1対2なんですよ。これ完全にひっくり返える」と断言する。ただし、野党が「1つにまとまってない」「乱立してれば漁夫の利で自民党行きますから」という点は考慮する必要があるとしつつも、「私は1人区で自民党が勝つことはまずない」と厳しい見方を示した。

物価高、トランプ関税、安全保障:三つの主要争点

今回の参院選の主要な争点として、舛添氏はまず「物価」を挙げた。「米の値段が上がる」「スーパーに買い物に行くと私も『え、これこんなに高くなったな』と思うぐらいいろんなものが値上がりしてます」と述べ、給料が上がらない中で「生活大変ですよ」と国民の窮状に寄り添う。各政党が消費税ゼロや減税、社会保障費の削減を訴えるのは、まさにこの生活苦が背景にあると解説した。

次に、「トランプ関税」を重要な争点として指摘する。トランプ前大統領が関税をさらに引き上げる可能性に言及し、「日本の自動車産業ガタガタになりますから」と警鐘を鳴らした。「日本の基幹産業は自動車でこれで我々飯食ってる。その基幹産業が潰されるということになると、これは日本立ちゆかなくなる」と危機感を示した。石破氏がトランプ氏に「今選挙やってるから頼むからなんとか」と働きかけている可能性を示唆しつつも、「トランプさん聞くような人じゃないんで」と、選挙期間中の関税引き下げは期待できないとの見方を示した。

三つ目の争点として「安全保障防衛の問題」を挙げた。イスラエルとイランの衝突、ウクライナ情勢、ガザ地区の状況などを例に挙げ、「石破さんは防衛オタクって言われてるように安全保障の専門家」であるにもかかわらず、「世界に向かって話してもいい」のに「全くそういう外に向かっての発信がない」ことを疑問視した。

小さな政党の動向:参政党の伸長と石丸新党の失速

小さな政党の動向にも言及し、特に「参政党」の伸長を予測した。都議会選挙で「伸びた」こと、そして「このまま参議院選挙で伸びる」との見通しを示した。参政党は「日本人ファースト」を掲げ、「食品添加物嫌だ。オーガニック信仰」という特殊性や、「天皇中心のこの日本をまとめる日本の精神と伝統」という右寄りの思想を持つと解説した。

一方、石丸新党については「芽がないと思います」と厳しい評価を下した。都議選で「ガタガタになった。全滅です」と述べ、石丸氏自身が参議院選挙に「これでは勝てるはずがない」と断じた。

また、作家らが結成した日本保守党については「活字文化の人たち」であり、「どこまで伸びるかって問題ある」とした。AIエンジニアの安野氏が率いる「チームみらい」については、「意外と善戦するような気もしております」と期待をにじませた。

参院選予測と政界再編のシナリオ

舛添氏は自身の最終的な予測として、「私の予測は自民党・公明党は大敗する」と断言した。さらに、「参政党は伸びる」「立憲も国民民主党伸びる」と、野党勢力の伸長を見込む。

しかし、「野党が過半数取るでしょうけど、しかし野党バラバラですから政権というとこまでいかない」と予測し、最終的な政権の形については、「自民党、公明党に維新の会とか国民民主党とか加わった連立が広まる形への新しい政権になるんじゃないかな」と、政界再編のシナリオを示した。

国際政治学者の舛添要一氏は、都議選の敗北が参院選に与える影響を重く見ており、自民党・公明党の大敗を予測している。物価高やトランプ関税、安全保障といった国民生活に直結する課題が争点となる中、国民の不満は与党に向かい、参政党のような既存政治に異を唱える勢力が伸長する可能性を示唆した。野党の過半数獲得はあり得るものの、統一された受け皿がないため、政権交代には至らず、新たな連立の形が模索されることになるだろう。はたして、舛添氏の予測通り、日本の政治に大きな変化が訪れることになるだろうか。

舛添の参院選予測 自公大惨敗 参政党↑ 石丸新党↓

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