お笑いタレントのラサール石井氏は、2025年6月30日に行われた記者会見で、社民党から参議院選挙の全国比例区に立候補することを表明した。長年の芸能活動で培った表現力を封印し、政治への強い思いを語った。
政治への不満が募る中で、「芸能人が政治を語るな」という批判に直面してきたと語ったラサール石井氏。ワイドショーの企画が中止になったり、CDの宣伝を断られたりといった経験を明かし、「ただ政治的発言をしているだけで、どうしてそうなるのか。そして同じ政治的発言をしていても政権を擁護している人はみんな普通にテレビに出ている。要は、政権を批判するものは口を閉じているというサインなのだ」と、メディアの現状に疑問を呈した。
しかし、「もう諦めるのはやめたのだ。黙って見ているのもやめたのだ。私はこうやって政治に発言することを一つの仕事としてこれからやっていこうという風に決めた」と、政治活動への決意を表明した。
社民党から立候補した理由については、「今までの私の言動をずっと見ていただければ、まず、自民党から出るわけはないということはお分かりいただけると思う」と述べた。社民党を選んだのは、「一番にお声掛けいただいたのが社民党であったことと、今、社民党から出るということが一緒にやってなんか社民党を変えていこうという、やりがいがあるところだな」と感じたからだという。また、「福島みずほさんのパワーを前々から尊敬をしておりました」と、福島瑞穂党首への敬意も示した。
経済政策については、「消費税を廃止する」という自身の考えを強く打ち出した。社民党が掲げる「食料消費税をゼロにする」という政策についても、「ゆくゆくは消費税をゼロにする、廃止するってところを目標に折り合いがつけ、て、じゃあ5%で、じゃあ食料費だけというように勝ち取ればそれはそれで成果。そしてまた廃止に向けていけばいい」と、最終的な目標は消費税廃止にあることを強調した。
また、貯蓄についても言及し、「貯金ぐらいさせてくれよと。庶民が何かの時のためにちょっと蓄える。そんなこと当たり前ではないか。それすらできない国なんておかしい」と、国民が安心して貯蓄できる社会の必要性を訴えた。
タレント候補と呼ばれることについては、「知名度があるから票を集められるだろうと言って、まあ、今まで政治に携わったこともなければ政治的発言したこともない人が、まあ、選ばれたりすることに批判があるのだと思うが、要は当選してからの仕事ぶりだと思うので、別にタレントだから役に立たない、タレントだからいいということはないのではないか」と持論を述べた。
今回の会見で「笑いはあえて封印している」と明かしたラサール石井氏。「笑いを取ろうとした時に誤解が起きることが多い。そして今日のこの会見でさほど笑いを取って和名まさせる必要はないだろうと思った」と、真剣な姿勢で政治に臨む覚悟を示した。
ラサール石井氏の参院選出馬は、日本の政治にどのような影響を与えるのだろうか。長年の芸能活動で培った知名度と、政治への熱い思いを胸に、彼は有権者の心を掴むことができるだろうか。そして、「笑いを封印」して挑む彼の政治活動は、日本の未来をどのように変えていくのだろうか。
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