ジャーナリストの須田慎一郎氏が、石破茂氏を巡る政治情勢の深層を語る。一見すると石破氏への支持が高まっているように見えるが、その実態は「左翼なわけですよ」と須田氏は断言する。この記事では、須田氏の分析に基づき、石破氏の「人気」の虚像と、それに連動する政界の「分断工作」、そして「スパイ防止法」を巡る与野党の攻防について掘り下げる。
石破氏を支持する人々の正体
「石破やめるなデモ」や、社民党の福島瑞穂氏が石破氏の続投を望む発言をしていることなど、石破氏を支持する動きの背景には、左翼勢力の存在がある。須田氏によると、福島氏は記者会見で、石破氏退陣を強く求めているのは旧安倍派だとし、「今の自民党の凋落問題を招かせた本人だ」と批判した。
福島氏が石破氏の続投を望むのは、彼が辞任した後に誕生する内閣が「よりひどいものに必ずなる」と警戒しているからだ。特に、高市早苗氏が首相になった場合、「スパイ防止法の制定に積極的なことに加え」、放送法違反に対する電波停止の可能性に言及したことを問題視し、「極めて超右派政権でこれも問題だ」と強く反発している。
須田氏は、「石破人気っていうのは左翼ですから」と断言する。かつて「次の総理は誰がいいか」という問いに石破氏の名が挙がったのは、「左翼の人たちが『石破』って言うから」だという。しかし、そのような人々は「槍が降っても何が降っても自民党には入れない人たち」であり、彼らに人気があったところで「自民党はアウトになるだけですよ」。須田氏は、このことを自民党の人々が理解できていなかったと指摘する。
「スパイ防止法」成立を阻止したい抵抗勢力
現在の政治対立の核心にあるのは、「スパイ防止法」の制定を巡る攻防だ。須田氏によると、高市早苗氏が首相になれば、「スパイ防止法が成立しちゃうんですよ」。
この法案に抵抗する勢力は、福島瑞穂氏を筆頭とする「左翼勢力」だ。須田氏は、「『なんでここまでこだわって嫌なのか?』って言ったら、『それはあんたスパイだからだろう』」というネット上の攻撃を紹介し、スパイ防止法に反対する理由が「普通の人は無いじゃないですか」と指摘する。特に、福島氏が中国を訪問するたびに「スパイの親玉に会う」とされている点が、彼女の言動に疑念を抱かせる根拠となっている。
この法案は「昭和50年代に叩き潰された」経緯があり、約40年ぶりに現実味を帯びてきたため、「左翼勢力はこれは必死で止めたいわけ」。彼らはそのためには「高市になってもらっては困る」という立場なのだ。
この動きには、高市氏が目指す積極財政に反対する「緊縮財政派」や、強硬な外交姿勢に懸念を抱く「親中・媚中派」も同調している。彼らは「とにかく高市を阻止したら、日本をその普通の国家になっていくのを阻止できる」と考えている。
自民党の終焉と政界再編の可能性
須田氏は、高市政権が誕生しない場合、「自民党はま終焉になりますよね、溶けていくからね」と厳しい未来を予測する。今回の参院選でも「保守系の議員が続々と落ちました」。その一方で、「森まさこのような左翼政治家は通りました」。これは、自民党の「岩盤支持層」が「もう石破自民党には入れないわけだから」と離反している現状を示している。この状況が続けば、「自民党は加速度的に勢力を小さくしていきますから、これあっという間ですよ」「次の衆院戦でそうなります」。
一方で、高市政権が誕生した場合、政界は大きく変わる可能性がある。協力できる政党として、門田氏は「国民民主党と参政党は協力できるんじゃないか」と見ている。これらの党とは「減税、積極財政」といった政策で「重なる部分がね多い」からだ。
公明党は「高市さんのことは大嫌い」だが、「政権にはしがみつきたい政党」であるため、連立に残る可能性が高い。しかし、「自民党とくっついてたら、公明党は終わっちゃうよ」という危機感も高まっている。そのため、高市政権が誕生した場合、公明党が連立に残るかどうかの議論が活発になっているという。
参政党や国民民主党といった新興保守勢力は、高市氏と連携することで「自分たちの勢力も固めていける」と見ている。「政権に入ることによって、日本のためにこの優位な政策を実現することによって、自分たちのその存在感も高めていける」という戦略を持っているのだ。
この対立と再編は、日本の政治構造を根本から変えるきっかけとなるだろうか――
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