元TBS政治記者・小林琢磨が語る!参政党の支持率急上昇の裏に何があるのか?

元TBS政治記者・小林琢磨が語る!参政党の支持率急上昇の裏に何があるのか? 最新ニュース
元TBS政治記者・小林琢磨が語る!参政党の支持率急上昇の裏に何があるのか?

元TBS政治記者の小林琢磨氏が、夏の参議院選挙を前に急激に支持率を伸ばしている参政党について分析した。都議選での躍進、保守的なメッセージを掲げる「日本人ファースト」の訴え、そして独自の支持者獲得戦略が支持拡大の要因だと指摘する。また、安倍晋三氏亡き後の自民党から離れた保守層が、国民民主党への失望を経て参政党に流れている可能性を指摘。参政党が比例代表で議席を伸ばす可能性を示唆しつつも、莫大な選挙費用とその出どころの不透明さについても言及した。

都議選躍進と世論調査に見る参政党の「急激な上昇」

小林氏は、参議院選挙が迫る中で、「参政党の支持率が急激に伸びているというニュース」に注目したと語る。読売新聞の6月末の世論調査では、国民民主党と並ぶ5%の支持率を獲得し、前月の1%から「4ポイント上げて5%というわけです。前の月1%だった政党が5%になっていると。これは急激に上昇していると言っていい」と分析した。

世論調査の数字にはばらつきがあることを認めつつも、「4ポイント上がるというのはかなりの大きな変化だと」強調。特に「選挙前のこの時期になって急に支持が伸びているということはやっぱり注目しておかなければいけない」と述べた。

他の調査でも、時事通信では2.5%、NHKの最新調査では3.1%と、日本維新の会や公明党、共産党、れいわ新選組と同等かそれ以上の支持を獲得している現状を指摘し、「れいわ、共産だけではなくて維新を完全に上回っている」と述べた。

この支持率上昇の背景には、まず「6月末にあった東京都議会選挙」の影響が大きいという。参政党は都議選で4名中3名の当選者を出し、「かなりの前線だった」と評価。特に世田谷区では望月正典氏が「4万票以上獲得して2位で当選」したことが報道でも注目されたと述べた。これにより「参政党という政党が、全体の中でのプレゼンス存在感というものが上がってきたので、調査が来た時に参政党いいんじゃないかっていう人が増えたんじゃないか」と分析した。

「日本人ファースト」と保守層の受け皿

小林氏は、参政党が支持率を伸ばしている最も大きな要因として、「参政党が日本人ファーストということを掲げている」点を挙げる。「日本人をまず大切にしますよというメッセージを参政党は全面に打ち出している」とし、その「保守的なメッセージ」が、現状の日本の政治状況においてほとんど保守的な政党がない中で、支持の増加につながっていると解説した。

自民党や立憲民主党、国民民主党は「リベラルよりの政党」であり、その中で「保守的なメッセージを強く打ち出している政党っていうのは参政党と日本保守党しかない」と指摘した。しかし、日本保守党が「内揉めみたいな形とかリーダーの方々の人間性に、難がありそうだみたいな意見が散見されてなかなか一般的な支持を広げられていない」一方、参政党は「みんなで作っていこうよというメッセージを初期の頃から全面に打ち出している」点が支持を集めていると分析した。

また、参政党の支持層について、「支持集めがうまいな」という独自の戦略にも言及した。フェスのようなイベント開催や、高額なコミットメントを求める党員制度を通じて、「自分が参政党という政党に参加しているんだっていう感覚を、醸成していくのがうまいな」と評価した。

自民党を離れた保守層の移動

小林氏は、かつて安倍晋三氏が総理だった時代は、「安倍さんがいた時代は自民党は保守だみたいなイメージがあった」と指摘。自民党内に「元々岩盤支持層」と呼ばれる保守層が多く存在し、これが「自民党の表の底上げをしていた」と解説した。しかし、安倍氏亡き後、現石破政権が「極めてリベラルな方向に行っている」と評価されることで、この保守層が「ごそっと自民党からいなくなった」ことが、石破政権の支持率が低迷している一因だと述べた。

この自民党を離れた保守層の動向について、去年の衆議院選挙の時は「国民民主党に行っていた」と推測した。これにより、それまで数パーセントだった国民民主党の支持率が急に伸び、「一時は越したり10%台の支持率」が出ていたという。

しかし、年明けの参議院選挙を前に、国民民主党で「様々な問題が出てきました。玉木代表の不倫問題であるとか、極めつけはやはり山尾さん」の件などを挙げ、自民党から国民民主党に移った層が「やはり国民民主党に失望してしまった」と分析。選択的夫婦別姓へのスタンスなど、「国民民主に乗っかっていた保守層というのは、これにもやはり失望してしまった」と述べた。

そして、この保守層が今どこへ行っているかというと、「参政党に流れているっていう見るのが一番自然な分析なのかな」と結論付けた。国民民主党の支持率が減った分だけ参政党が伸びているという「似たようなポイントの上下が両方にある」ことから、「やはり支持層が自民から国民民主に移り、国民民主から参政党に移っている」と見解を述べた。

参政党の今後の展望と選挙費用の謎

小林氏は、参政党が「従来よりもかなり議席を伸ばすんじゃないかな」と予測する。特に比例代表での伸長がメインになるとし、参議院の比例代表は100万票で1議席であることから、「おそらく参政党は、少なく見ても2議席、3議席は取れるんじゃないかな」と見通した。さらに「このまま上昇機運に乗っていけば、もしかしたら5議席とか6議席ぐらい比例で取るんじゃないか」という可能性も示唆した。

参政党のもう一つの特徴として、「ほぼ全ての選挙に候補者を立てている」点を挙げた。これは「知名度を上げるためにはやはり選挙に出ることが一番」であり、選挙区で出馬することで「比例代表の表の積み増しにかなりの効果がある」ためだと分析した。

最後に、小林氏は参政党の「お金は一体どこから出てるんだろうな」という疑問を提示する。全ての選挙区に候補者を出し、比例でも10人以上立てるためには、「供託金だけで、1億円から2億円ぐらい。そして処経費とかも考えると数億円はくだらない」と試算。参政党は「歴史がそんなに長い政党ではない」ことから、「そのお金が一体どこから出ているのか、バックにどんな団体とか人がついているのか。これがあまり見えてこない」のが正直な感想だと述べた。新聞記事によれば「ほとんどがイベントで稼いだお金、それから個人からの献金」だというが、「それにしてもかなり限界があるんじゃないかな」と個人的な見解を示し、「人によってはちょっと得体が知れない」と感じる要因になっている可能性も指摘した。

元TBS政治記者の小林琢磨氏は、参議院選挙における参政党の支持率急上昇の背景には、都議選での躍進と、既存政党に物足りなさを感じていた保守層の受け皿となっている「日本人ファースト」のメッセージがあると分析した。安倍晋三氏亡き後の自民党から離れ、国民民主党にも失望した保守層が、最終的に参政党に流れているという動線を示した。参政党は比例代表で複数の議席を獲得する可能性が高く、その存在感は今後も増していくだろう。しかし、その莫大な選挙資金の出所が不透明であるという点は、依然として疑問符が付くところである。

参政党の支持率急上昇! 一体なぜ? 元TBS政治記者が解説。

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