作家・門田隆将が語る自民党の危機とポスト岸田を巡る熾烈な争い

国内政治

作家の門田隆将が、最新の情勢を踏まえ、窮地に立たされた自民党の現状と、次期総裁候補を巡る水面下の動きについて鋭く分析する。

岸田首相に突きつけられた退陣要求

自民党は役員連絡会で、両院議員総会の近日開催を決定しました。石破首相は「丁寧に紳摯に逃げずに説明することに尽きる」と語ったといいます。しかし、旧安倍派、旧茂木派、麻生派などの有志議員は、署名提出を当面見送ったものの、これは党執行部が署名活動を重く受け止めたためだと判断したからです。旧茂木派の佐川農水副大臣は、総会が1回で終わるとは限らないとの見解を示しており、次の一手があることを示唆しています。

自民党が今まさに「瀬戸際にある」と門田氏は指摘します。次期衆議院選挙で、自民党は現有議席の4分の3を失う可能性すらあると見られています。特に、岸田首相や小泉進次郎氏のような候補が続投した場合、有権者は自民党を「第2党、第3党に落としてやろう」というモチベーションを持つだろうと分析します。

そうした中、旧安倍派の主要幹部4人(世耕、萩生田、西村、増野)は、「大敗を踏まえて石破首相は退陣すべきだ」という認識で一致しました。門田氏は、「石破さんで次の衆院選を戦えると思っている人は、さすがの高知会にもいない」と述べ、続投の可能性を強く否定します。

「ポスト岸田」を巡る3人の候補

世耕議員はポスト岸田候補として、高市早苗氏、小林鷹之氏、小泉進次郎氏の3名の名前を挙げました。門田氏は、この3人がそれぞれ異なる思惑を抱えていると分析しています。

高市早苗氏 門田氏は、この9ヶ月間で保守勢力が600〜700万票近い支持を増やした事実を挙げ、「高市氏じゃないと勝てないじゃないか」という認識が広がっていると語ります。高市政権が誕生すれば、スパイ防止法やガソリン暫定税率の実現など、現実的な保守政策が進むと見られています。しかし、この動きを阻止したい勢力も存在します。門田氏は、「中国と財務省が困るからだ」と指摘します。親中派や財務省、そしてオールドメディアは高市氏への攻撃を開始しているといいます。

小林鷹之氏 小林氏は、旧二階派の親中派が集まり擁立する動きがあるとされています。財務省出身の緊縮財政派であり、中国と財務省の両方にとって受け入れやすい存在です。しかし、彼の擁立の目的は、高市氏の票を削ることにあると見られています。門田氏は彼を「高市氏を阻止するためのターゲットミサイル」だと表現します。国民は彼の親中・緊縮財政の立場を認識しており、将来の総理候補としての期待は低いだろうと分析しています。

小泉進次郎氏 一部では若者票を取り戻すための「顔」として擁立する動きがあるものの、門田氏はこの見方を否定します。前回の総裁選で「たった2週間でメッキが剥がれちゃった」と述べ、その実力が露呈したと批判しました。また、外国規制の緩和や選択的夫婦別姓に関する議論での言動を挙げ、「このレベルなの?というのがバレちゃった」と指摘します。門田氏は、小泉氏の擁立は「自民党が溶けてしまう」ほどの悪影響をもたらすと断言します。

茂木氏と麻生氏の動向

茂木敏充氏と麻生太郎氏は、高市氏を支持する側に回る可能性が高いと見られています。茂木氏は、党内での非主流派への扱いに強い怒りを感じており、前回の総裁選で「あまりに高市氏が強かった」ことを実感したため、高市氏を支える側に回らざるを得ない状況にあるといいます。麻生氏についても、「俺は勝ち馬にしか乗らねえんだ」というスタンスであるため、高市氏に賭けたと門田氏は説明しました。これは、保守現実派政権を作るための動きだと述べられています。

門田氏は、「高市政権ができたらすごいことが起こる」と表現します。これまでの緊縮財政から積極財政へ、対中融和から毅然とした対応へと政策が大きく転換することへの「恐怖」が、一部勢力には存在すると語ります。

はたして、自民党は再び国民の信頼を取り戻すことができるだろうか――

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