石丸伸二、参院選の「シングルイシュー」に教育を掲げる理由

再生の道代表 石丸伸二、教育改革を参院選のシングルイシューに 最新ニュース
再生の道代表 石丸伸二、教育改革を参院選のシングルイシューに

参院選への出馬を表明している再生の道代表の石丸伸二氏が産経新聞のインタビューに応じた。秋田方市長としての4年間の経験を通じて、地方政治では解決しきれない教育課題を国家レベルで解決する必要性を痛感したという。今回の参議院選挙では教育を「シングルイシュー」として最優先に掲げ、その他の政策については議員個々の判断に委ねる姿勢を示した。

石丸氏は、参議院選挙に向けて「教育を最優先で」というテーマを掲げていることを強調した。これは文字通り「シングルイシュー」であり、「他のものについては是々非々で党議拘束もかけない」と述べ、教育への取り組みに全力を注ぐ姿勢を明確にした。秋田方市長時代の経験から、「地方議会には地方政治にはそれ用の役割があるんですが、一方でその中では完結しない課題もたくさんあるなと」感じ、教育問題の解決には国政レベルでの対応が不可欠であるとの認識を示した。

石丸氏の教育政策の根幹にあるのは、「需要側ではなくて供給側への投資」である。高校授業料の無償化のような「需要側」への支援が「質の悪いものが安く手に入るだけ」であると指摘し、「質の良いものをきちんと受け取れるっていうのが本来だと思うのでこの質を高めていこうとで教育の供給側に立つというのがベースにあります」と語った。

具体的な教育改革の軸として、以下の3点を挙げた。

まず、教育人材の面では、教員の待遇改善と人材不足問題の根本的解決を訴えている。「教員の成り手不足問題ですね」「しっかりとした境遇を確保しましょう」と述べ、教職の魅力を高める必要性を強調した。

次に、教育内容では、国語や算数といった基礎科目に加え、「生きる力」や「社会で役立つ知恵」としてのリテラシー教育(お金の使い方、SNSとの関わり方など)の充実を提唱している。「AI、ITテクノロジーの方がより身近にあって使い用があるのでこれは大事だとは思う」としつつも、それらを扱うための「基礎学力」の重要性を強調した。

最後に、教育環境として、学校施設の整備に加え、子供たちが可能性を広げられるような制度の見直しを重視する。「OECDの36カ国の中だと下から3番目っていうのが去年だったんですね なのでケチってるんですよ」と日本の公的教育支出の低さを問題視し、「日本の国力を保つためにこれ以上のものはない、これ以外の選択肢はない」と、人材への投資の重要性を訴えた。

国政政党化への道のりについて、石丸氏は「一発で国政政党の要件を満たせればそれは素晴らしい理想的ですけども、選挙が難しいってのはみんな知ってる。私はよくよく知ってる話なので、できそうなところから手をつけるしかないなと」と現実的な方針を示した。「無理なこと無茶なことをやろうっていうのは基本的に私のポリシーにないんですよ」と述べ、段階的な成長を目指す姿勢を見せた。

また、現段階を「将来の国政政党化に向けた種を植える時期」と位置づけ、当選そのものよりも「広く国民の政治参加を促す」ことに主眼を置いていると説明する。都知事選で多数の候補者を擁立したのも、「投票してもらうというだけではなくて、立候補してもらうっていうそれこそ供給両サイドの話をしてた」と、国民の主体的な政治参加を促す目的があったと語った。

メディアとの関係については、都知事選後の産経新聞の記事に対し、「1番最初の該当演説で40人かしか集まらなかったから取れないのは予兆だったみたいなこれ完全に後出しですよね」と、後出しジャンケン的な批判や根拠なき評価に強く反論した。

「目的と目標を明確にしてたんですよ。あれを過に42人全員の当選を目指してますって言ってて、結果があーだったらそれはそうですよ」と、自身の掲げた目標が達成されているにもかかわらず、「責任を取らない」「敗戦の弁を述べない」といった批判的な記事が出たことへの疑問を呈した。メディアに対し、「何か理由があるんだったらそれは伝えてあげて欲しいんです読者視聴者に」と、透明性と説明責任を求めた。

NHKが都知事選を「参院選の前哨戦」と報じたことに対しても、「都民にとって本戦ですよね、都知事選って考えたら。前哨戦ですっていう言い方やっぱり不適切だったって誰かが言った方が良かったんじゃないかなという指摘です」と、メディアの言葉の選び方に対する意識を求めた。

主要な政策論点について、石丸氏はエコノミストとしての立場から見解を述べた。

消費税減税については、インフレ対策としてはまず金融政策が動くべきであり、「日本銀行の独立性は尊重というか重視しなければならない」と強調した。消費税減税は「循環的な要因に対して、構造的に制度で対応しようっていうのはコストが大きすぎる」と指摘し、「リスクですね」と警鐘を鳴らす。

コメ不足と減反政策に関しては、実家がコメ農家であり、秋田方市長として農業の最前線にいた経験を持つ石丸氏は、このテーマに強い思い入れがあるという。「在庫の管理はもっとうまくできる」と述べ、テクノロジーの活用による需給管理改善の可能性を示唆した。減反政策については「やり方はベストじゃなかった」と批判し、バラマキ型の交付金が農業改革の妨げになっていると指摘した。今後は「強い農業を作っていく、そしてそれを守るのが国策」とし、農地の集約やコストカット、生産性向上にこそ国の税金を投入すべきだと提言した。

憲法改正と9条については、憲法改正自体は「絶対ダメってことはないんじゃないか」と柔軟な姿勢を示した。日米安保については、「日米安保前提としない国防は現実的にあり得ないという評価です」と明言し、日本の経済成長を支えてきた土台であり今更崩せないとした。核兵器については広島出身であることから、「核兵器というものを是認はできない」と個人的見解を述べ、日本が核装備をすることは現実的ではないとの認識を示した。憲法9条については、自衛隊の存在や国防の意義を考慮すれば改正しても良いという考えを示しつつも、その改正によって政治が停滞するなら「もうほっとけばいいとすら思います」と述べた。議論が「55年体制」のように政治の停滞を招くことへの懸念を示し、中国や近隣諸国の感情を刺激するよりも、実質的な国防強化(日米同盟の強化など)の方が「有益」であると現実的な対応を重視した。

石丸伸二氏は、「教育」を最優先の政策課題とし、その解決には国家レベルでの供給側への投資が不可欠だと訴えた。選挙戦略は現実的かつ段階的な政党化を目指し、当選そのものよりも政治参加の促進に重点を置いている。彼の提言は、理想論だけでなく、現実的な視点と過去の経験に基づいた具体的な解決策を提示しているだろう。

[引用元]【ノー編集・参院選】参院選は「教育」シングルイシュー 再生の道 石丸伸二代表

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