作家の百田尚樹氏は、参議院議員としての初日を迎え、「ついに参議院議員になってしまいました……」という複雑な心境を吐露した。6年間の任期の重みや、自身の健康状態、そして日本保守党の目標達成に向けた「ガソリン減税の審議と採決」への意欲を語り、新生活への期待と課題を赤裸々に明かした。
「なってほい」の字に滲む本音:6年間の任期は「重い」
作家の百田尚樹氏が、ついに参議院議員として新たな一歩を踏み出した。動画の収録前日から正式に議員となった百田氏は、「ついに参議院議員になってしまいました……」と、その複雑な心境を率直に語り始めた。
議員としての初日を迎えたばかりで、「まだ議会に行っていない」ため具体的な仕事は始まっていないという。しかし、自身の書いたサムネイルの字が「なってほい」と見えたことに触れ、その拙さに自身も驚きつつ、正直な気持ちが表れていると語る。
特に百田氏が感じているのは、議員としての任期である「6年間」の重みだ。現在の自身の年齢が69歳であることを鑑みると、任期終了時には75歳になるため、「人生の残された時間が少ない中での6年間は重い」と吐露する。この発言に対し、「お前(視聴者)に一票入れたのにそんなことを言うのか」と批判されることは承知しているとしつつも、本音では複雑な心境であることを明かした。
秘書選びは「スパイ」警戒?議員としての事務手続きと人間関係
参議院議局に提出する書類が非常に多く、百田氏は妻に手伝ってもらっていることを明かした。特に略歴の記入に苦労しており、大学中退以降はフリーランスであったため、「履歴書に書くような項目にほとんど当てはまらない」と述懐する。
議員サイトに掲載される写真についても、当初アロハシャツの写真は不可であったため、急遽国会議事堂前で撮影した写真を使用しようとしたものの、結局は別の写真を使うことになったとユーモラスに語る一幕もあった。
議員会館の事務所は、北村晴男弁護士と向かい合わせになったため、「気軽に遊びに行ける距離」だと喜ぶ。秘書選びについても言及し、過去に政治家の秘書として働いていた経験を持つ人や、落選した議員の秘書など、様々な背景を持つ人がいる中で、「情報漏洩やスパイの可能性も考慮に入れながら慎重に選ぶ必要がある」と述べた。
癌治療の現実:国会会期中の手術も視野に
百田氏は、明日精密検査(MRI)を控えていることを明かした。これは過去に発見された癌の再検査であり、「2ヶ月以上放置していた」という。医師からは、緊急性がないため延期できたとの判断があったとのことだ。
検査の結果、癌が確認された場合は入院手術が必要となる可能性があり、選挙期間中は手術を延期してもらった経緯があるため、国会会期中に手術と重なる可能性も示唆した。手術は「ラジオ波手術」と呼ばれる、電子レンジのように癌組織を焼く方法で、腎臓癌にこの手術が採用され始めたのは「最近の2〜3年」とのこと。
5年前に腎臓癌が発見された際、すぐに手術を受けず4年間放置したことが、結果的にこの最新のラジオ波手術と、その分野の第一人者である山門先生に出会う「幸運」につながったと語る。
政治家としての抱負:ガソリン減税と日本保守党の目標「議員30人」
政治家としての抱負として、百田氏は臨時国会における「ガソリン減税の審議と採決」を最重要課題とし、採決が実現するまで「国会の延長を求めていく」姿勢を示した。自身の体調と国会延長の兼ね合いについて、もし国会が延長され、その期間中に入院手術となった場合、「延長しろと言ったくせに休むのか」と批判されるかもしれないという懸念も述べた。
百田氏は、自身の知性や教養はともかくとして、「国益を考え、国民のことを考える」議員が増えるべきだと主張し、そのような議員であれば「多少の能力不足は許容できる」と考えているという。
日本保守党の目標として「議員30人」を目指しているとし、これが実現できなければ「代表失格」だと考えていると述べた。また、テレビの露出の重要性についても触れ、特に高齢層はインターネットよりもテレビからの情報を得るため、「テレビ出演の必要性」を認識していると語る。
「裏表がない」性格は「メビウスの帯」:ユーモアと親子の後悔
視聴者からのコメントに答え、自身の性格を「裏表がない」と表現し、「メビウスの帯」に例えて熱く解説する一幕もあった。実演を交えながら、その不思議な特性(表と裏が一体化していること、真ん中を切ると一つの大きな輪になることなど)を語った。
過去に居眠り運転でパトカーに追突した経験をユーモラスに語り、当時は無名だったため大事には至らなかったが、「今なら大騒ぎになる」と想像した。
亡くなった両親、特に母親が自身の国会議員就任を知ることなく亡くなったことへの複雑な思いも語った。母親が生前「お兄ちゃん(百田氏)が国会議員になる」という話を聞いて信じていなかったエピソードを披露し、自身が作家になったことを父親に見せられなかった後悔も述べた。
作家・百田尚樹氏が参議院議員として歩み始めた新たな道。その率直な心情と、政治家としての真摯な抱負が垣間見えた。身体と向き合いながら、臨時国会でのガソリン減税の実現に向け、そして日本保守党の目標達成に向けて、百田氏はどのようにその重責を全うしていくのだろうか――。その「裏表がない」百田節は、今後の国会でどのような波紋を呼ぶのか、注目したい。
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