ユーチューバー tetsuyaが斬る「グローバリズムの闇」:「帝国主義と共産主義の悪魔合体」が世界を蝕む

国内政治

現代社会の根幹を揺るがす「グローバリズム」。それは一体何なのか、そして私たちに何をもたらしているのか。ユーチューバーのtetsuya氏が、その本質と、私たちがこの複雑な時代をどう生き抜くべきかについて、独自の視点で深く掘り下げた。

グローバル vs. インターナショナル:概念の混同が招く危機

tetsuya氏はまず、「グローバル」と「インターナショナル」という言葉の混同を指摘する。「インターナショナル」は「国際的」を意味し、「国と国をつなぐもの」というニュアンスを含むという。これは、それぞれの国がナショナリズムを持つことを前提とし、「互いのナショナリズムを尊重し合いながら交流する」考え方だ。

これに対し「グローバル」は、地球規模で共有される普遍的な価値観(グローバルスタンダード)が存在すると信じ、それを世界で共有しようとする考え方だという。この普遍的な価値観の押し付けは、それぞれの国のナショナリズムや文化的多様性を否定することにつながると警鐘を鳴らす。具体例として、LGBTや西洋民主主義の過度な押し付け、そして「多文化共生という名の均質化」が挙げられた。

フランスの人類学者エマニュエル・トッドの著書『西洋の敗北』を紹介しつつ、tetsuya氏はウクライナ戦争において、ウクライナ(および支援する西洋諸国)の敗北が「決定的に近い」と語った。西洋諸国は自らが世界の普遍的価値観をリードしていると思い込んでいたが、実際にはそれが「世界の少数派であったことがウクライナ戦争で明らかになった」と指摘する。プーチン大統領が「我々こそがグローバルマジョリティだ」と発言していることも、この事実を裏付けているという。

西洋諸国はソ連崩壊後、アメリカのグローバルスタンダードを世界に押し付けるようになり、それが世界中で「戦争を引き起こす一因となった」と分析された。

「自由民主主義」の欺瞞と「リベラル寡頭制」の現実

tetsuya氏は、「自由民主主義」の再定義を試みる。自由民主主義は「普通選挙(多数決の原理)が行われること」と「少数派の権利が保護されること」の両立が重要だと定義する。

ロシアは選挙が行われているため「民主主義」とは言えるものの、少数派の保護がないため「自由主義」とは言えないとし、トッドはロシアを「権威主義的民主主義」と呼んでいると説明した。プーチンの支持率が80%近く、「国民に圧倒的に支持されていることは疑いがない」と述べた。

一方、西洋諸国は少数派の保護を過度に訴えているが、最も強力に保護されている少数派は「0.1%の富裕層」であると指摘された。この富裕層のマネーパワーと病的なマイノリティ保護によって、西洋では民主主義が機能しなくなり、「リベラル寡頭制」となっているとトッドは分析しているという。そのため、ウクライナ戦争は「ロシアの権威主義的民主主義と西洋のリベラル寡頭制の戦い」であると結論付けられた。

グローバリズムの正体:「帝国主義と共産主義の悪魔合体」

tetsuya氏が最も強く訴えるのは、グローバリズムの本質だ。それは「帝国主義と共産主義の悪魔合体」であると表現された。

帝国主義は、資本家が利益を再投資に回すことで富の格差を拡大させ、国内市場や原料に限界があるため投資を海外へ向かわせる「資本輸出」を進める。他国が投資の受け入れを拒否した場合、資本家がマネーパワーで政府や軍隊を操り、「侵略によって強制的に投資を受け入れさせる」ことが帝国主義だと定義された。帝国主義は富の格差拡大、労働者の生活困窮、被侵略国の悲惨な状況を引き起こし、持続不可能だという。

そして共産主義は、帝国主義によって抑圧された労働者が立ち上がり、暴力革命によって平等な世界を目指す考え方だ。共産主義は「国家の消滅」を究極の目標とするが、それを目指す国家の形態が「社会主義」であるため、「共産主義国家」という表現は矛盾していると説明された。革命を達成するためには、革命的先鋭である共産党が人民を指導する「プロレタリア独裁」が必要とされる。この共産主義もまた、エリート(共産党)による独裁を世界に広めようとする点で「形を変えたグローバリズムそのもの」だと指摘された。

レーニン主義の重要な方法論は、「数十年の単位で社会に浸透し、既存の社会を徐々に弱体化させる」ことだという。そのために「平和」「自由」「平等」といった美しい言葉を盾に、宗教、伝統文化、伝統的慣習、共同体、そして「家族を破壊する」ことが行われたと解説する。共同体から切り離された個人は孤独と不安に苛まれ、新たな共同体を求めるようになり、最終的に共産党だけが頼る場所となる状態が作られたという。しかし、共産党独裁による社会主義国家も、実際には資本主義国以上の超格差社会となり、共産党トップのエリートが富と権力を独占し、一般大衆は「貧困の平等」のような状態に陥った。結局、資本主義国家も社会主義国家も資本家に支配される超格差社会という点では同じだという。

現在起きているのは、資本家が帝国主義的に資本輸出を進めつつ、それを規制しようとする国家を共産主義の「国家破壊ノウハウ」によって弱体化させている状況だ。本来敵同士だった帝国主義と共産主義が「悪魔合体」し、世界の庶民を苦しめているとtetsuya氏は訴える。移民政策も、低賃金労働者確保による企業の利益向上と同時に、国民の一体感や共同体を破壊し、人々が資本家に立ち向かう団結力を失わせる目的があると指摘された。

解決策:「修正資本主義」と「共同体の力」の回復

この状況を打開するための解決策として、tetsuya氏は「国家は本来、反グローバリズムであるべき」だと提言する。国家の役割は、国民が団結してあらゆる危険(軍事的侵略だけでなく、大資本家によるマネーパワーの侵略も含む)から国民を守り、大資本家に対して一定の規制を行い、庶民の生活を守ることにあるからだ。

共産主義のように極端な手段を用いると、別の「悪魔合体」を引き起こし状況が悪化するため、徹底的な対立構造で捉えるのは違うと語る。資本家も元々は一国民であり、「国民のために事業をしよう」という気持ちを持つべきだとし、そのような教育が重要だと述べた。これは「修正資本主義」または「公益資本主義」と呼ばれる考え方であり、資本家自身が天下国家のために事業を行う社会を目指すものだ。松下幸之助や稲盛和夫といった日本の創業者がその模範として挙げられた。

このような社会へ転換するためには、資本家の強力なマネーパワーに対抗するための「一般庶民の数の力」しかない。共産主義によって破壊された「共同体の団結の力を取り戻す」ことが重要であり、そのためには地域コミュニティ、家族、地域クラブといった基礎集団を健全な形で復活させ、伝統的な価値観、家族観、道徳観を復活させることが必要だという。これは数十年かけて破壊されてきたものであり、再建にも数十年かかるため、「今から始めなければならない」と強調した。最も必要なことは、より多くの国民がグローバリズムの問題を認識し、問題意識を持つことであると締めくくられた。

帝国主義と共産主義の悪魔合体」とまで表現されるグローバリズム。その根深い問題を認識し、「修正資本主義」への転換と「共同体の力」の回復を通じて、いかにして庶民が真の豊かさを取り戻せるのか。tetsuya氏の提言は、私たち一人ひとりがこの世界の問題を自分事として捉え、行動することの重要性を改めて問いかけている。はたして、私たちはこの「悪魔合体」に打ち克ち、健全な社会を再建できるだろうか――。

ユーチューバー tetsuyaが斬る「グローバリズムの闇」:「帝国主義と共産主義の悪魔合体」が世界を蝕む

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