ジャーナリストの須田慎一郎氏が、2025年参議院選挙における自民党の「ダブルでの大敗」を受けて、石破首相に対する「石破おろし」が本格化する政局の行方を緊急分析する。与党の過半数割れが確実視される中、自民党大阪府連トップの青山繁晴参議院議員が石破首相の応援演説に姿を見せず、「石破首相が来て票が増えるかどうかわからない。増えないだろう」と公言するまでに党内の不満が爆発していると指摘。一方で、自民党ナンバー2の森山浩司幹事長が水面下で石破首相の続投を画策している現状を暴き、選挙後に「党内政局」が勃発すると予測する。
「ダブルでの大敗」と石破政権への党内不満
2025年参議院選挙は、与党(自民・公明)にとって極めて厳しい結果となりそうだ。ジャーナリストの須田慎一郎氏は、各新聞社の報道通り、与党の参議院過半数割れが「ほぼ確実な状況」だと指摘する。参議院の全議席248のうち過半数の125議席を獲得するためには、非改選組75人に加えて改選で50議席が必要であったが、与党の獲得議席は「40代前半から半ばに留まる可能性」があり、過半数には到底届かない見込みである。これは昨秋の衆議院選挙での大敗に続くもので、「ダブルでの大敗」と表現されている。
この惨敗を受け、石破首相に対する自民党内の不満は頂点に達している。その象徴的な出来事として、7月16日に石破首相が大阪で行った応援演説に、自民党大阪府連トップの青山繁晴参議院議員が姿を見せなかったことが挙げられる。青山氏は別の場所で演説を行っており、その理由を問われると、「石破首相が来て票が増えるかどうかわからない。増えないだろう。だから私は違う場所で票を増やすために演説をやっていた」と発言したとされる。
須田氏は、青山氏のこの発言が、石破首相に対する「怒り、憤り」の表れであり、自民党内の多くの国会議員や候補者の「本音」だと分析する。彼らの多くは「もう石破首相には来て欲しくない。来たら票が逃げる。来たら有権者が不快に思う」と考えていたが、公にはできない状況にあった。青山氏の発言は、そうした党内の不満が「思わず吹き出した瞬間」であり、これが選挙後に「石破おろし」の動きを加速させるきっかけとなる可能性が高い。衆議院選挙での過半数割れに加え、今回の参議院選挙での大敗を受けて、自民党内は選挙後、間違いなく「党内政局」に突入すると須田氏は断言する。
森山幹事長の続投画策と党内マグマの噴出
党内の不満がマグマのように鬱積する中で、自民党ナンバー2の森山浩司幹事長は、水面下で石破首相の続投を画策していると須田氏は指摘する。森山幹事長がその「続投の大義名分(名目)」として挙げているのは、「日米間の関税交渉(トランプ関税)」だという。日本への25%の追加関税が決定し、7月末から適用される状況下で、交渉が続いている「国難」の最中に首相の首をすげ替えるべきではない、という名目を使おうとしている。しかし、須田氏はこれを「大義でも何でもない」と厳しく断じている。
衆議院選挙での敗北後も石破首相が居座ったこと、そして今回の参議院選挙での大敗にもかかわらず続投を画策していることに対し、党内で「怒り」が爆発しつつある。森山幹事長のこの動きは、党内の感情と大きく乖離しており、さらなる反発を招くことは避けられないだろう。
「石破おろし」の本格化と有権者の視線
参議院選挙後、与党の過半数割れという結果を受け、水面下でマグマのように動いていた「石破おろし」の動きは一挙に噴き出すことが予想されると須田氏は語る。青山大阪府連会長の「怒りのコメント」は、まさに今の自民党内の空気を象徴しているという。
しかし、この「石破おろし」の動きが、有権者の支持を得られるかは微妙なところだと須田氏は指摘する。その理由は、多くの有権者が「なぜ参議院選挙前に石破首相を辞任させなかったのか、なぜ行動を起こさなかったのか」という点に不信感や不満を抱いているからだ。選挙後に「石破おろし」の動きが起こったとしても、世論の支持が得られるかは今後の展開次第であり、一歩間違えれば「恐ろしい展開」になる可能性もあると警鐘を鳴らした。
今回の参議院選挙の結果は、石破首相の政権運営に大きな影響を与え、自民党内で激しい権力闘争が勃発することは避けられない状況にある。
はたして、自民党内は「石破おろし」の嵐を乗り越え、国民の支持を取り戻せるだろうか――
ジャーナリスト須田慎一郎が緊急分析!参院選2025、自民党大敗で「石破おろし」が本格化へ――首相続投画策と党内「怒り」の行方
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