元衆議院議員の金子恵美氏が、参院選の最新情勢を分析し、自民党と公明党が厳しい戦いを強いられている現状を解説する。真夏の選挙戦の過酷さに触れつつ、東京選挙区の「大激戦」ぶりや、全国の一人区での自民党の苦戦を指摘。与党に吹き荒れる逆風の原因として、減税政策の拒否、米国の追加関税、そして与党議員や首長による失言問題を挙げ、「期日前投票の出口(調査)でだいぶ与党厳しい」と語った。
真夏の選挙戦と「大激戦」の東京選挙区
元衆議院議員の金子恵美氏は、記録的な暑さの中での参院選について、「候補者もちろん陣営スタッフも、そして聞いている人たちも大変そうですね」と、その過酷さを語った。特に真夏の選挙は経験が少ないといい、応援活動を通して「この真夏のこの厚さの選挙戦は大変だな」と感じているという。
東京選挙区の最新状況については、「大激戦というか、ちょっと読めなくなってきた」と分析する。複数の政党が2議席獲得を目指して候補者を擁立している中で、票の分散が起き、「最後まで分からないかな」と、混戦模様を指摘した。特に、進行勢力である参政党が「上がってきてる」と感じているとし、「もう推移してる」状況だと述べた。
期日前投票の出口調査から見えた与党の「厳しい」戦い
金子氏は、自民党の現職議員との会話を基に、与党の厳しい戦いを伝えている。期日前投票の出口調査において「だいぶ与党厳しい。思った以上に厳しい」という声を聞いたという。
全国32ある一人区の情勢については、各社の調査によって見方は異なるものの、自民党が先行しているのは「16、15」程度、あるいは「12くらい」と厳しく見ている」調査もあると明かした。一方、野党が取るであろう議席は「11くらい」、そして残りの「10くらい」がまだどちらに転ぶか分からない選挙区だという。
この結果、改選前に52議席あった自民党は、一人区で「かなり減らす。40くらい」にまで減少する可能性があると指摘し、これは「総裁の責任だ」と述べた。さらに公明党も「下回る予想出てますから。これ合わせて48、9くらいかな」と、自公合わせた与党の過半数割れへの危機感を示した。そして、「今日昨日といろんなことが起きてもっと減る」と、情勢の悪化がさらに進む可能性に言及した。
与党への逆風──減税拒否、米国関税、そして相次ぐ失言
金子氏は、与党に逆風が吹いている具体的な要因を複数挙げた。
まず、経済政策における「物価高対策の中で減税なのか、現金給付なのかっていうてん」が争点になっているとした。今回の選挙は国民の関心が高く、「投票率が60%超えんじゃないか」という調査結果が出ているという。投票率が高くなればなるほど「自公は厳しくなる」と見られており、これは「自公与党に対しての怒り、政権に対する怒りが行動に移される」ためだと分析した。特に、自民党の幹事長が「減税はない。消費税守る」と強く発言したことが、「厳しい選挙になった」と、厳しい戦いの「スタート」になったと指摘。「減税ノーを突きつけた時点で有権者からは選ばれない、選ばれにくい状況がまずできた」と述べた。
次に、米国による対日追加関税の問題を挙げた。米国からの関税について、日本政府が交渉を重ねてきたにもかかわらず、「むしろ上がって1%上がって25%で返ってきてしまった」ことを問題視した。8月まで交渉が延長されたものの、「関係構築ができてたのかって言うと難しくて。8月まで半月であまり望めない」と、現政権の交渉力への疑問を呈した。
さらに、与党議員や首長による失言問題が相次いでいることを指摘。鶴保庸介議員の「運のいいことに能登で地震があった」という発言は、「災害のことに関して運っていう言葉はどう考えても出ないですよね」と厳しく批判した。「東日本大震災の時に東京でなくて良かったみたいなことを言った大臣でもいましたけど。その言葉の軽さというか、その感覚っていうものがー なんで応援行った先で言うんだろうか」と、その認識の甘さに疑問を投げかけた。このような発言は、応援される側の候補者にとっても「マイナスしかないですからいい迷惑だ」と、その悪影響を強調した。
また、自身の地元である新潟県上越市の市長が、兵庫県三田市の米を「まずい」と公の場で発言した問題にも触れた。このような「認識の甘さというか、思慮の浅さというか」は、政治家や行政の姿勢を疑わせるものであり、「政治行政どうしたのって思われちゃいますから」と警鐘を鳴らした。これらの不祥事が、「国民が政治行政に対して不信感というか諦めというか怒りというのを持たれる」ことにつながると述べ、政治への信頼が揺らいでいる現状を憂いた。
元衆議院議員の金子恵美氏が語る参院選の最新情勢は、自民党と公明党が直面する厳しい現実を如実に示している。真夏の過酷な選挙戦に加え、期日前投票の出口調査で明らかになった与党の苦戦、そして減税拒否、米国からの追加関税、相次ぐ議員や首長の失言が、与党への強い逆風となっている。はたして、自公は過半数割れを回避できるだろうか。そして、国民が政治に対して抱く不信感や怒りは、一票となって、日本の未来をどのように変えていくだろうか。
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