政治評論家・中川コージと経済学者・飯田泰之が徹底分析!参政党の「強さ」と「独裁」、その「カルト的マネジメント」とは?

政治評論家・中川コージと経済学者・飯田泰之が徹底分析!参政党の「強さ」と「独裁」、その「カルト的マネジメント」とは? 最新ニュース
政治評論家・中川コージと経済学者・飯田泰之が徹底分析!参政党の「強さ」と「独裁」、その「カルト的マネジメント」とは?

ニッポンジャーナルのYouTubeチャンネルで、政治評論家の中川コージ氏と経済学者の飯田泰之氏が、参議院選挙で「大躍進が確実の”参政党”」の強さについて徹底的に解説した。彼らは、参政党の組織的特徴を既存の政党とは異なる「宗教的」な側面から分析し、「独裁」や「カルト的マネージメント」とも評されるその特異な構造を深掘りした。特に、ナチスとの比較については明確に否定しつつも、中国共産党との類似性を指摘するなど、多角的な視点から参政党の実像に迫った。

「体を動かす」コミットメントと「仲間になれる」ハードルの低さ

飯田泰之氏は、参政党の組織的特徴として、党員に「体を動かせさせる」ことを重視する点を挙げた。かつて行われていた「ジャンボ田植え」を例に挙げ、「田んぼに行って体を動かすことが重要なんです」と、単なる政策活動ではなく、身体的な「実践」が重視されることを強調した。この点は、宗教が信徒に「お勤め」(例:毎朝の唱え、座禅、駅前掃除など)を課すことでコミットメントさせる構造に「非常に類似している」と指摘。これにより、「論理構成とか中身をすっ飛ばして仲間になれるんです」と、党員になるためのハードルが低いことが参政党の強みだと解説した。

既存政党、特に自民党のような組織では、献金やエリート層との繋がりなど「ハードル高いんですよ」と仲間になるための障壁が高いが、参政党では「毎朝座禅組む、お掃除するジャンボ田植えで仲間になれるっていうのが組織を作ることにおいて極めて重要な実践」だと述べた。この構造は「公明党の構造に近い」と指摘され、選挙活動におけるポスター貼りや交通整理といった無償ボランティアの動員能力に優れているのは、「一般の方々が外圧から勝つために正義のためにやってるんだっていうことで動いてるユニットって相当強い」ためだと分析した。

「良い人だけの国」を目指す排他的思想と「党員のための政党」

参政党の思想の根底には、「良い人だけの国を作りたい」という素朴で強い直感があると飯田氏は語る。これは一部の左翼が唱える思想と同根だとしながらも、「リベラルとはいい人の定義が全然違う」と述べ、参政党が考える「良い人」とは「日本人にふさわしくない日本人」を排除する対象と見なす可能性を示唆した。これは「むちゃくちゃな排除論理」だと指摘し、「いい人だけを残したいっていうすごく素朴な直感があるので強い」と述べた。

参政党は「党員に対して投げかける」政党であり、「理解しない人たちは外敵っていう扱いになるわけ」だとその排他的な性格を説明した。これにより、組織内の結束が強固になり、「党員のための政党であるというところが彼らの価値判断」として現れるという。この「教組織」としての側面は、日本共産党や公明党といった「共同体の中に入るためのイニシエーション」を持つ組織と類似していると分析した。

「物語の可変性」と指導部による「カルト的マネジメント」

参政党の最大の特徴は、その「物語」(イデオロギーや政策)の「拡張性」と、それを執行部が握っている点にあると中川氏は語る。公明党や日本共産党が固定的な物語を持つ一方で、参政党は「物語を自分で変えられる」点が異なると指摘。これは、その時々に応じて政策や主張を変化させる柔軟性を持つことを意味し、「減税だって今言ってても次に増税だっていうこともあり得ちゃう」と述べた。

この物語の変更権をトップが持ってる構造は、「中国共産党はマルクスレーニン主義なんだけども北京中央版のマルクスレーニン主義に改変しちゃったんですよ」という点で中国共産党と「似てる」と分析した。

また、過去に他の政党に「騙されてきたからまた騙されてもいい」という盲目的な支持が見られることや、「政策については問題かもしれない」が、「組織としてはやっぱりカルト的なマネージメントって強いですよ」と指摘。執行部への強い信頼と、外部からの批判に対する排他性が見られるという。「もしそれが参政党が失敗したとしてもそれは参政党が失敗したんじゃなくて外圧によって潰されたんだ」と解釈されることで、内部の結束がさらに強まる原理は、キリスト教が弾圧されることで結束を高めた原理と共通していると述べた。

ナチスとの比較については、「ナチスって言ったら言ったやつの負けだと思ってます」と明確に否定し、「組織行動の原理とか似てない」と反論した。一方で、「保守の皮をかぶった社会主義」という見方に対しては、社会主義とは異なり、「良い人だけの国を作りたい」という排他的な思想が左翼の一部と同根であると補足した。

中川コージ氏と飯田泰之氏の分析は、参政党が既存の政治勢力とは一線を画す、独自の組織原理と求心力を持つ政党であることを浮き彫りにした。身体的コミットメントを通じた党員の囲い込み、低いハードルでの「仲間入り」、そして執行部が「物語」の変更権を握ることで得られる柔軟性などが、その強さの源泉となっている。

はたして、その「カルト的マネージメント」とも評される組織運営や、「良い人だけの国」という排他的な思想が、今後の日本の政治にどのような影響を与えるのだろうか――。参政党の動向は、引き続き注視される。

政治評論家・中川コージと経済学者・飯田泰之が徹底分析!参政党の「強さ」と「独裁」、その「カルト的マネジメント」とは?

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