元産経新聞記者・佐々木類が読み解く!参院選惨敗後の自民党と「石破おろし」の行方

元産経新聞記者・佐々木類が読み解く!参院選惨敗後の自民党と「石破おろし」の行方 最新ニュース
元産経新聞記者・佐々木類が読み解く!参院選惨敗後の自民党と「石破おろし」の行方

元産経新聞記者の佐々木類氏が「デイリーWiLL」のYouTube動画で、参院選での自民党の「ボロ負け」と、それに続くであろう「石破おろし」の可能性について詳細に分析した。最新の世論調査結果を基に、自民党の支持率低迷と、参政党の躍進、さらには国民民主党や立憲民主党の動向を解説。消費税減税への国民の強い要望と、石破政権の危うい現状を指摘し、日本の政治の未来について見解を述べた。

自民党、支持率横ばいで「ボロ負け」か?参政党が急伸

佐々木氏によると、共同通信が参院選の有権者動向を探るために実施した全国電話世論調査(7月5日、6日)で、比例代表の投票先は自民党が18.2%と前回からほぼ横ばいであった。一方で、参政党は2.3ポイント伸ばして8.1%に急伸し、国民民主党(6.8%)と立憲民主党(6.6%)を抜き、この調査上では「今野党第1党」だと指摘した。

石破内閣の支持率は25.4%と7ポイント下落し、不支持率は62.6%に達している。経済対策については、消費税減税を望ましいと答えた人が76.7%に上り、現金給付の17.9%を大きく上回った。この結果から、佐々木氏は「参政党が急に伸ばしてきましたね」と述べ、その背景には、維新から公認されなかった梅村氏の参政党からの出馬や、国会議員5人以上の要件を満たしたことで「テレビ討論に出てこれること」になった点が大きいと分析した。

参政党は「地方議員が200人ぐらいいる」と述べ、地方組織がしっかりしていることが票を伸ばす要因になっていると強調した。「地道にやってきた」と、参政党の勢いに注目している。また、他の政党が外国人問題や経済政策で「参政党に結構寄せてきてる感」があると指摘した。

国民は消費税減税を求めるが、自民党は「守り抜く」?

国民の経済対策への意識については、消費税減税への強い要望があるにもかかわらず、自民党の森山幹事長が「消費税を守り抜く」と発言したことを「すごい発言したな」と批判した。国民はコロナ禍での一律10万円給付で「慣れちゃってる」ため、2万円給付のような「しょぼい」金額では「国民なめんなよと」感じていると指摘した。「そんなことするんだったら消費税下げろという話ですよね」と、国民の率直な声を代弁した。

昨年度の税収が「だいぶ上ぶれてる」にもかかわらず、財務省がそれを隠していたのではないかと推測し、「ちゃんと還元してほしいですよね」と、国民への還元を強く求めた。

石破首相の「使命感」と自民党の「惰性」

佐々木氏は、今回の参院選で「自民が勝つっていうのはない」と断言し、自公で「過半数割れになったらそれなりのインパクトはありますね」と語った。しかし、石破首相が「尋常じゃないポストへのしがみつき方」をしており、「過半数割れでも石破さんが続投する可能性」があると懸念を示した。

昨年、自民党が少数与党になった際も、石破首相は「ミッションコンプリートみたいなね」と、安倍派議員を落選させる「ムーブ」を達成したかのように振る舞い、「誰も責任取ってないじゃないですか」と批判した。参院選で与党が過半数を割っても、「やめないですよこの人」と述べ、連立の追加などによって「延命を測ろうとする」可能性を指摘した。

佐々木氏は、石破氏が安倍元首相を「やめるべきである」と批判してきた過去にも触れ、「麻生さんがものすごい恨んでんですよ」と、党内の確執についても言及した。現在の自民党は「惰性に流されてるような人たちが多すぎる」ため、「石破おろしの動きに出れないっていうねそういうジレンマ」があると分析した。

さらに、石破首相が戦後80年に関する個人的メッセージを発表することについても批判的で、「戦後っていう言い方が嫌い」だと述べた。日本は「勝者の側にいるんですよ」にもかかわらず、「いつまでね80年引っ張ってんだ」と、GHQの呪縛から覚めていないと自己認識しているようなものだと語った。

佐々木類氏の分析は、参院選後の日本の政治が、自民党内の権力闘争と、国民の経済への不満という二重の課題に直面していることを示唆している。特に、石破首相の求心力の低下と、それに反する続投への執着は、党内の混乱を招きかねない。

はたして、自民党はこの危機を乗り越え、国民の期待に応えることができるだろうか――。それとも、参政党のような新興勢力が、日本の政治地図を大きく塗り替えることになるのだろうか。今後の政治の動向から目が離せない。

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