ジャーナリストの須田慎一郎氏が、現在の参議院選挙における兵庫選挙区の「異常」な状況をレポートした。立花孝志氏が当選圏内に食い込む可能性を指摘しつつ、殺害予告による厳重な警備体制や、その背景にある「悪意のある」メディア報道の問題点を深く掘り下げて解説する。
兵庫選挙区の激戦と立花孝志氏の可能性
今回の参議院選挙、兵庫選挙区は定数3に対し13人が乱立する激戦となっている。ジャーナリストの須田慎一郎氏は、元市長の泉房穂氏がトップを走る中で、NHK党の立花孝志氏が「結構いいところにつけてるんですよ」と指摘した。当初は当選見込みがないと評価されていたものの、情勢調査を分析すると「当選する可能性も十分ある」という結果が出ているという。須田氏は、立花氏が「3位に食い込んでくる可能性は十分に私はある」と見ている。
「異常な」選挙戦術:泉氏のステルスと立花氏の反論
この兵庫選挙区の戦いは「かなり異常な選挙戦となっております」と須田氏は語る。まず、立花氏が泉氏の街頭演説後に同じ場所で演説をしようとする戦術について言及した。これは聴衆の注目を集める一般的な手法だが、立花氏の目的は単に人を集めるだけでなく、泉氏の演説を聞いた上で「ここはおかしいじゃないかというところをやろうとしていた」点にあるという。この狙いに気づいたのか、泉氏は現在「完全にステルス選挙」を展開し、演説場所が一切不明な状況だそうだ。須田氏はこれを「異常さ」の一つとして挙げ、「普通の選挙戦ではない」と断じた。
殺害予告と厳戒態勢:立花氏を巡る異例の警備
さらに異常なのは、立花氏を巡る厳重な警備体制である。兵庫県警による「相当な数の警備」が敷かれており、立花氏に聞くと地域によっては異なるものの、どこへ行っても「2桁単位の厳重な警戒が取られている」という。この異例の警備の背景には、立花氏への「ライフルで打ち殺すとかそういう殺害予告」が出ていることがあると須田氏は明かした。
過去に立花氏が選挙戦中に頭を負傷する事件があったこともあり、警察庁からの指示で厳重な警戒が敷かれているのだ。そのため、立花氏は演説直前まで別の場所に待機し、車両で演説場所に横付けして壇上に立つというスタイルを取らざるを得ず、「握手であるとか、一緒に写真を撮るとか、あるいは練り歩きがあるとか、そういったこと一切できない」状態だという。これは「立花流のそういう選挙戦ができない」異常な状況を招いていると須田氏は指摘した。
悪意ある報道とメディアの責任
須田氏は、殺害予告が出る背景に「一連の悪意のある報道。特にテレビの報道によって『立花イコール悪人』なんだというレッテルを貼りまくった」ことがあると厳しく批判する。これにより、「善悪の区別がつかないような人たちが過激な行動にうつってくるとするならば」、繰り返し悪意のある報道を流したテレビ局には「かなりの大きな責任が発生してくることになるんではないかなと」と語った。
前回の事件では警察が機能せず、面子を潰された経緯もあり、今回は警察庁が各県警に「そういったことが2度起こらないようにと」指示を飛ばしているという。また、アンチ勢力に対しては、「選挙の自由妨害罪というのを適用すべく動いている」ことも明らかにされた。メガホンの使用など、演説を妨害する行為は明確に選挙妨害と見なされ、「厳格それが適用される」方向にあるため、アンチの活動にも「一定の抑制が効いてくるようになった」そうだ。
しかし、須田氏は、このような状況は「明らかに異常」だと強調する。「繰り返し幾度となく報道されることによって」過激な行動が誘発される可能性を指摘し、報道の自由があるとはいえ、その報道が「果たしてそれが正義に叶ったことなのかどうなのか」を検証する必要があると訴えた。
兵庫選挙区で繰り広げられている異例の選挙戦は、立候補者の安否を脅かすほどの緊迫した状況にある。須田氏が指摘するように、殺害予告という明確な脅威の背景には、メディアによる「悪意のある報道」が少なからず影響を与えているのかもしれない。報道の自由と倫理の狭間で、メディアが果たすべき責任とは一体何だろうか。この異常な選挙戦の行方は、日本の民主主義のあり方を問うものとなるかもしれない。
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