国民民主党党首・玉木雄一郎が石破総理と激突──日米貿易交渉の「闇」と国益の行方を問う

国内政治

国民民主党党首の玉木雄一郎氏が、8月4日の予算委員会で石破総理との質疑に立ち、日米貿易交渉の核心に迫った。米国側の認識と日本政府の説明の間に存在する大きな乖離を指摘し、日本の国益が損なわれる可能性を強く示唆。政府に対し、透明性のある情報開示と、責任ある交渉の推進を求めた。

「27.5%」の関税が日本の自動車産業を脅かす

日米貿易交渉において、米国が当初25%と示唆していた「相互関税」が15%に引き下げられたことは、「一定の成果」だと玉木氏は評価した。しかし、日本の主力産業である自動車・自動車部品には、相互関税とは別に「分野別税」がすでに25%課せられている。

日本政府は、この分野別税も15%に引き下げられると主張している。しかし、ホワイトハウスが発表した合意内容をまとめた資料「ファクトシート」には、自動車・自動車部品の関税引き下げに関する記述が「どこにも出てきていない」。

この結果、日本がアメリカに輸出する自動車には、今後も「合計27.5%もの関税がかけられ続けるかもしれない」という深刻な懸念が残る。この事実が、今日の質疑で明らかになった「1点目です」と玉木氏は語った。

日本はアメリカの「銀行」なのか?

もう一つの懸念は、日本が5000億ドル(約80兆円)の対米投資を約束させられたことだ。これについて、日本政府は「出資・融資・融資保証」であり、「日本に特に得になるようなものしかお金出しません」と説明している。

しかし、米国側のロス商務長官は、ブルームバーグテレビで、日本は「資金の提供者であって、つまり銀行であって」、運営者ではないと発言している。つまり、プロジェクトの決定権はアメリカが持ち、日本は「お金だけ出すんだ」という認識だ。

玉木氏が「日本って銀行なんですか?」と質問したところ、赤沢大臣は「銀行です」と回答。これに対し、玉木氏は「銀行って言っちゃだめだろう」と批判した。

さらに、利益配分についても、玉木氏は、トランプ大統領の認識が「上がった利益の9割をアメリカが持っていて日本は1割です」という意味ではないかと指摘し、両国の解釈に大きな隔たりがあることを示唆した。

「日本版ファクトシート」の公開を要求

米国側が「どんどん言いたい放題言ってですね、そして既成事実を積み上げていく」現状に対し、玉木氏は強い危機感を抱いている。

そのため、政府に対し、「せめて日本版のファクトシートを総理官邸のホームページで公開して欲しい」と要求。国民に日本の認識を明確に示すことで、不利な状況が生まれることを防ぐべきだと訴えた。

玉木氏は、このような重要な外交交渉を今後も進めるにあたり、石破総理が「意思と能力があるのか」と厳しく問いかけた。

もし、自動車に「27.5%もの関税をかけられて」、さらに「何らの権限もなくお金だけ出せ」という内容が合意だとしたら、「これはとても国益に合致する内容だとは言えません」と断じている。玉木氏は、この交渉結果が国民に不利なものであれば、石破政権の資格が厳しく問われるとの姿勢を示した。

自動車産業に27.5%の関税がかけられ続け、日本が「銀行」に成り下がっているとしたら、それは「国益に合致する」と言えるだろうか――。

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