参議院議員の西田昌司氏は、2025年6月30日のビデオレターで、自民党の森山幹事長が「消費税は絶対守り抜く」と発言したことに対し、強い懸念を示した。多くの政治家が経済の本質を理解していないと指摘し、消費税が経済成長を阻害する「罰金」であると断じた上で、新たな税制への「発想の逆転」の必要性を訴えた。
参議院議員の西田昌司氏は、自民党の森山幹事長が「消費税は絶対守り抜く」と発言したことに対し、「本当に参りますね」と強い懸念を表明している。この考え方は森山氏だけではなく、立憲民主党の野田代表をはじめとする多くの政治家に共通していると西田氏は指摘した。
問題の核心は、多くの政治家が選挙前に「減税」を口にする一方で、本音では「財源はどうするのか」と考え、消費税のような「安定財源」を手放すことに抵抗がある点だ。特に、高齢化による社会保障費増大を背景に、安定した税収が見込める消費税への依存が深まっているという。西田氏は、森山幹事長の発言を「非常に正直な、与党の幹事長としての思い」としながらも、「残念ながらそれが間違いなんです」と断じている。
さらに、政治家が「経済あっての財政」と口では言うものの、「経済をどうしたら回していけるのか」を「あんまり理解されていない」と批判した。
西田氏は、「経済あっての財政」という言葉の真の意味を詳細に解説し、経済成長のメカニズムを明確に説明した。
経済とは「経世済民」、すなわち「世を治め民を救う」ことであり、「国民の生活を安定させる」「国民の生活を豊かにする」「国民を救う」ことだと定義した。エコノミクスにおける経済は「民間の経済が成長していること」を指す。
民間の経済が成長している状態とは、モノの売買などの経済取引が頻繁に行われ、その規模(GDP)が大きくなることであると説明した。経済成長の要素は二つだ。
まず、民間による投資の増加だ。経済を大きくするための第一の条件は、「銀行がお金をたくさん出す」、つまり「民間が銀行からお金を借りて投資をすること」だと強調した。銀行の貸し出しによって、手元にお金がなかった人々が投資を行えるようになり、経済が発展してきたと説明している。バブル経済期を例に、民間債務の増加が経済規模の拡大に繋がった過去を指摘した。
次に、**政府による積極的な投資(国債発行)**だ。現在の日本は、バブル崩壊後の「貸し剥がし」により民間債務が大幅に減少し、銀行からの借入れを嫌う「貯蓄超過」の状態にあると分析した。民間が投資しないのであれば、「政府が積極的に、民間が投資できる項目を開拓し、その部分にお金をどんどん出していくべきだ」と主張した。その財源は「借入金でいい」、すなわち「国債発行」が有効であると述べた。政府が国債を発行し負債を持つことで、民間にお金を供給し、民間が投資しやすい環境を整えることが「相乗効果で経済が大きくなっていく」と説明した。
西田氏は、消費税が経済成長を阻害する「罰金」であると断じ、新たな税制への「発想の逆転」を提案している。
消費税の欠陥として、経済を大きくする仕組みではないと指摘した。消費税は、利益の有無にかかわらず「付加価値(粗利)」部分に着目して課税され、最終的に消費者が負担する仕組みであるため、「儲かろうが儲かってなかろうが」課税されると述べた。消費・投資への「罰金」だとして、「お金を使う場合使うほど税金払らなきゃならないという仕組み」であり、「使わない方が得だという話になりますからね。これがだから罰金だという意味はそういう意味なんですよ」と消費税の負の側面を強調した。
西田氏は「発想の逆転」として、あるべき税制を提案している。
「お金をどんどんどんどん使っていったら得だ」という考え方を基盤とし、お金を貯めるのではなく、「お金を借りてでもどんどん使ってく方が利益が上げられる」仕組みにすべきだと主張した。具体的には「消費税を辞めて」、代わりに「法人税を税率を上げる」ことを提案している。ただし、単なる増税ではなく、「戦略的投資項目には損金算入費用にするという仕組みとセットにする」ことで、消費(投資)を奨励する税制へと転換を図るべきだと提言した。
この制度により、「消費に対する罰金がなくなってですね、消費に対する優遇の方がついてくる税になりますから、結局黙っていても人はどんどんどんどんお金使うんですよ」と述べ、結果的に「お金使えば使うほど経済が大きくなって結果的に政府の税収が大きくなってくる」と結論付けた。
西田氏は、この「逆転な発想」こそが「現実の経済の動きのポイント」であり、これを理解しないまま消費税に固執することは「誤った方向に導いてしまう」と警告した。
西田氏は、多くの政治家が経済の仕組みを理解していない根本原因として、現在の経済学教育や財務省の知見の欠如を指摘した。「大学で経済学部を出ようが」「財務省に席を置いてい方」であろうと、「本当のこの経済の循環の仕組みというのはですね、まともにどこも教えてないんです」と断言した。
西田氏自身も、大学や税理士試験で学んだわけではなく、税理士として「仕訳(複式簿記)」を徹底的に学んだことで、「通貨発行」の仕組みと経済の循環が理解できたと述べている。
西田昌司氏は、森山幹事長の消費税堅持発言は、経済の本質と経済成長のメカニズムを理解していないことによる「勘違い」であると厳しく批判した。経済を活性化させるためには、消費税という「罰金」を廃止し、民間や政府による投資を促すような、所得課税中心の新たな税制を導入するという「発想の逆転」が不可欠であると訴えかけている。日本経済の停滞を打破するために、私たちはこの「逆転の発想」を受け入れることができるだろうか。
[引用元]自民森山幹事長「消費税を守り抜く」本気ですか?発想の逆転が必要だ!(西田昌司ビデオレター 令和7年6月30日)
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